パナソニックは、フルスペック非圧縮8K[120fpsかつ12bit(4:4:4)]映像を、1本の光ファイバーで伝送可能な独自のコネクタ付ケーブルを、慶應義塾大学発ベンチャー企業「KAIフォトニクス」と共同開発したと発表しました。
今年始まる8K試験放送や、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、8K対応機器の採用が増加するB to B市場(企業向け)向けのケーブルとなっています。パナソニックは今後、1本の光ファイバーケーブルにて接続可能な本ケーブルを国際規格化を目指しています。
また、本ケーブルはCES2016のパナソニックブースでの展示も予定されています。
非圧縮フルスペック8Kのデータ量
今年から試験開始が予定されている8K放送はBS衛星を用いて放送を実施するため、H.265/HEVCという最新の技術にて100Mbps程度に圧縮を行った上で、映像信号を衛星経由で送出しています。
しかし、高画質が要求される映画撮影や、生中継の現場等では、圧縮せずに映像信号のやり取りが必要となっています。現状では非圧縮フルスペック8Kを伝送するに必要な帯域(約144Gbps)を、1本のケーブルで伝送することが出来ないため、4K相当に4分割して伝送し、再度合成するという手法を用いています。
しかし、この方法では伝送するケーブルが多くなってしまうこと、また分割・合成を実施するために大がかりな装置が必要となってしまいます。そのため、今回の開発は8K映像を制作する企業にとっては今後、期待されるケーブルとなっています。国際標準化が行われれば、様々な8K対応機器に搭載されることになるでしょう。
ケーブルの特長

今回開発された光ファイバーケーブルは、メタルワイヤとプラスチック光ファイバーを合わせた複合タイプです。光ファイバーケーブルは光の端面同士を正確に合わせることで高速通信を実現可能です。
しかし、脱着が可能なコネクタ付きケーブルでは端面部分での光軸合わせが難しいため、これまでは端面がむき出しのコネクタ型ケーブルは映像伝送用ケーブルへの採用が見送られてきました。
今回のケーブルでは、三菱鉛筆と慶應義塾大学の小池教授が共同開発した「プラスチック光ファイバー/ボールペン型接続技術」を採用し、パナソニックの広帯域信号の多値化伝送技術を適用することで、1本のケーブルで約144Gbpsもの超高速な伝送が実現した。
民生用(一般向け)の8K対応ケーブル「superMHL」
「superMHL」は民生向け(一般向け)の8K伝送対応可能なケーブルとして、開発が進められています。現状のMHL(Mobile High-definition Link)ケーブルは現在バージョン3.0となっており、多くのスマートフォンに搭載されています。
その次世代版であるsuperMHLは上記のパナソニックの開発したケーブルほど伝送速度はありませんが、現時点で最大108Gbpsの伝送が可能です。本ケーブルにて8K/120fpsまで対応可能ですが、8K/120fpsでは4:2:0となってしまうため、HDRには対応不可となってしまいます。現状ではHDRに対応可能な8K映像は8K/60fpsです。
しかし、今後、ケーブル規格の改良が予定されており、将来的には1本のsuperMHLにて180Gbpsまで対応可能となっているため、将来的にはフルスペック8K/120fpsでのHDRにも対応が予定されています。
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