今回は少し難しい内容で、どちらかというと技術的な内容です。もう少し4Kのことを詳しく知りたい方向けのトピックスとなっています。
Ultra HD(UHD)と4Kは同じ?
日本ではあまり一般的ではありませんが、海外ではよく「Ultra HD」というワードを目にします。よく「4K」ロゴの下によく併記されていますね。
場合によっては4KよりもUHDという表現をメインとしているようです。例えば今年に新しく4K関係で作られた規格名称や団体名称ですが、4KではなくUltra HD/UHDとなっています。
- Ultra HD Blu-ray
- UHD Alliance
Ultra HD Blu-ray
4Kに対応する次世代のブルーレイディスク規格です。先日、パナソニックから世界初の対応機器(DMR-UBZ1)が発売されました。この機器で出来ることを以下の通りです。
- Netflix/youtube/アクトビラ4KをHDDに録画出来る
- 4K対応ディスクである「Ultra HD Blu-ray」が再生出来る
実はUltra HD Blu-rayを再生は出来るのですが、まだUltra HD Blu-rayに録画することが出来ません。これまでのディスク規格の歴史を考えると、そう遠くない未来に録画が可能なレコーダーが出てくると思われます。
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UHD Alliance
今年の1月に4Kコンテンツの技術支援や認知拡大を目的として設立されました。設立メンバーはDIRECTV、Dolby、LG電子、Netflix、パナソニック、Samsung、シャープ、ソニービジュアルプロダクツ、Technicolor、The Walt Disney Studios、20世紀フォックス、ワーナーブラザーズの計12社です。
面白いのは世界最大の配信事業者であるNetflixが入っていること、ソニー本体ではなくソニービジュアルプロダクツが入っていることです。このことからも設立の目的として認知拡大が上がっていますが、まずは技術的な観点がメインであることがわかります。
8KもUltra HD(UHD)?
上記で4Kのことを海外ではUltra HDと表記される記載しましたが、実は8Kも4K同様にUltra HDと併記されています。それって4K=8K=Ultra HDってこと?と思ってしまいますが、それは間違い。しかし、4Kと8KにUltra HDが併記されるのはちゃんとした理由があります。
4Kも8Kも実は国際標準規格は同じITU-R BT.2020

上記はBT.2020の抜粋です。上から三番目のPixel countが解像度に関する使用です。左側の7,680 x 4,320は8Kのことを指しています。また、右側の3,840 x 2,160は4Kを指しています。
本サイトの最初の記事内にて「実は、4Kという規格はないんです!」と紹介しましたが、8Kも同様に8Kという規格はありません。では規格上はどうなっているかというと以下のように定義されています。
- 3,840 x 2,160(通称4K):UHDTV1
- 7,680 x 4,320(8K):UHDTV2
国際規格上では4K/8Kは共にUHDTVとなっており、区別は1と2表記だけなんです。海外で4K/8KともUHDと併記される理由は赤字部分を引用しているからなんです。理由が分かると併記されているも頷けます。
ここで上記の3,840×2,160(通称4K)と記載したのは理由があります。以前にも4Kという規格がないと記載しましたが、本来の意味でいうと4KはDCi-4Kを指しており、私たちが普段見掛るテレビ・放送・サービス等の4KはUHDというのが本来は正確です。
そのため、海外(特にアメリカ)では4KとUHDを明確に分けて使われています。これはDCI-4Kがデジタルシネマ(映画)向けの規格であることも関係しています。映画といえば、ハリウッド!が代名詞なのでテレビ・放送向けはUHD、4Kはでデジタルシネマ向けと業界規格・関係者などは分けていますが、アメリカの一般の方ですら、ごっちゃになっていて、4Kが一般的に使われています。
まとめ
規格の成り立ち上で言えば、4K・8K・UHDはそれぞれ内容が異なります。しかし、一般的にはデジタルシネマ用規格(DCI-4K)という存在があまり知られていないため、UHD=4Kとなっています。
かつ、規格上は4K/8Kの違いはUHDTV1とUHDTV2という1,2の違いしかないため、主に欧米では4K/8K=UHD(Ultra HD)という表現がされています。一方日本は、8K規格を開発したNHKがスーパーハイビジョンという愛称を使っていることから、8KやUHD(Ultra HD)ではなく、スーパーハイビジョンという言い方が一般的となっています。
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