22th International Display Workshops(IDS’15)より主要な最新の8Kディスプレイ技術を紹介します!

「22th International Display Workshops(以下IDW ’15)」が、滋賀県の大津プリンスホテルで2015年12月9日、10日、11日の3日間日程で開催されました。このIDWはアジア最大のディスプレイ国際会議の一つです。

今年は横浜でネットワークの国際会議IETF 94が開催されるなど、大きな国際会議がいくつも日本で開催され、日本の各方面の有識者が多数日本に来日したのではないかと思います。

IDW ’15は研究者向けの会議であるため、発表内容を理解するのはかなり難しいのですが、その中から今後の8Kディスプレイに関わる内容についてトピックスをいくつか紹介したいと思います。

パナソニックが55型の8K/120p(120Hz/120フレーム/秒)対応IPS液晶を開発

panasonic_display
出典:パナソニック液晶ディスプレイ(論文番号:LCT1-1)

パナソンックにはアモルファスSi結晶を用いたIPS液晶で、55型の8K/120p(120Hz or 120フレーム/秒)対応IPS液晶の開発に成功したと発表しました。従来の技術では120p(120Hz/120フレーム/秒)で表示・処理が追い付かないため、画面を上下に分割して制御することにより120pを実現しています。

シャープが低消費電力で知られるIGZOでスマホ対応4Kディスプレイを開発

Z5-Premium

世界初の4Kスマートフォン「Xperia Z5 Premium」(SO-03H)」にはシャープ製のLTPS液晶が採用されています。今回の発表ではより高精細かつ明るいディスプレイが可能となる新型のIGZO液晶ディスプレイについて発表が行われました。

三菱電機がBT.2020に98%対応の高コントラスト液晶を開発

bt2020

「REAL」シリーズを発売している三菱電機がより高コントラストの液晶ディスプレイ開発に成功しました。その色域再現はITU-R.BT.2020規格の98%まで再現出来ています。98%というのはほぼ人間の目で見える色と同等の再現性があります、尚この液晶開発はNHKと共同開発が行われています。

高コントラストを実現するために色の三原色(R:赤、G:緑、B:青)それぞれにレーザーダイオードを採用しています。これらのレーザーダイオードを液晶バックライトの光源とすることによってこれまでにない高コントラストを実現しています。

レーザーダイオードをバックライトとして用いるには高出力な半導体レーザーが必要となります。赤色の半導体レーザーについては三菱電機のテレビ「REAL」シリーズですでに採用されていますが、緑色の半導体レーザーは最近になってようやく開発されたばかりで、テレビの液晶バックライトに応用されたのは初となったようです。

しかし、この半導体レーザーは非常に高価であるため、一般の液晶テレビに採用されるのはしばらく先になりそうです。放送局向けや医療用など業務用向けに先行して製品化される可能性はありそうです。

まとめ

今年の発表は8K(スーパーハイビジョン)でのフルスペックである120p(120Hz or 120フレーム/秒)対応に向けた基礎技術開発が着実に進んでいることが確認出来る会議となっていました。逆に言えば、8Kテレビの製品化はまだもう少し先であることを痛感した発表内容だったと思います。

一般的な世帯で言えばどんなに大きくても60インチ以下であるため、パナソニックが発表した内容が最も現実的な製品が発売されそうだなと感じれる内容となっていました。一応我が家としては今後のディスプレイの開発やBSでの4K/8K放送内容を追っかけて2018年頃に買い替えたいと考えています。

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