完全に、GAFA主体の AV1 が主役に!?Netflix Android向けのアプリで AV1 採用

4Kや8K向けの映像符号化方式は、現行規格「H.265/HEVC」が先行し、標準規格となってきましたが、ジワリ、ジワリと交代劇が起きようとしています。それは、GAFAたち(Google・Apple・Facebook・Amazon)という巨人たちが推している新しい規格、AV1。昨日2020年2月6日、NetflixがAndroid向けのアプリで採用したことを発表し、この先すべてのプラットフォームでAV1を採用することを明らかにしました。

もはや事実上の標準規格として主役に立ったと言っても過言ではないでしょう・・さて、このAV1って何?この先私達には使いやすくなるの?

「H.264/MPEG-4 AVC」→「H.265/HEVC」のはずが・・・

もともと、2013年に国際機関で標準化された映像符号化方式「H.265/HEVC」※がありました。ところがなかなか普及しなかったのは、特許団体のせいで、4つの団体に分裂したとも言われています。

普及が進まないその隙に、世界の大手IT企業の巨人たちが作った新規格「AV1」が攻勢をかけてきました。

※H.265/HEVCは、「H.264」「MPEG-4 Video」「MPEG-2 Video」などの後継。

 

映像符号化方式 AV1って何?

AV1は、AOMedia Video 1の略。(非営利団体:Alliance for Open Media)。オープンソースで、ロイヤリティーフリーで開発されています。

この交代劇?が起きたかというと、ロイヤリティーが高額で、権利問題が複雑だからです。そういった背景からオープンで特許料の支払いも発生しないAV1が注目されました。また、AV1は圧縮率が高く、Alliance for Open MediaによればHEVCよりも最大40%優れていると言っています。

参考:Best Video Codec: An Evaluation of AV1, AVC, HEVC and VP9

 

AV1は何が良いの?

AV1は、モバイルデータの消費量が少ない。そして、ロイヤリティフリー。

このAOMに参画するメリットは、コストを抑えられることですね。だから、コンテンツ配信事業者などが目立つのでしょう。

 

すでにかなりの巨人たちがAV1に対応

例えばパソコンのブラウザで言えば、「Google Chrome(グーグルクローム)」や「Firefox(ファイアフォックス)」はAV1に対応。もちろん、Google が対応してるので「YouTube(ユーチューブ)」も対応済。こちらも既にAV1の動画は再生可能です。

パソコンのOSも「Windows(ウィンドウズ)10」ではAV1に対応するための拡張機能が提供されてはいますね。ごめんなさい私はまだ試していません。(一応、Google Chrome、Mozilla Firefox 、Microsoft Edge、Operaも対応済みとは書かれていました。)

スマートフォンでは、2019年秋にリリースの「Android(アンドロイド)10」が正式に対応。ただし、もともとH.265対応を表明の米Apple社がAOMに2018年に参加し、iPhoneもそう遠くなく、AV1に対応するでしょうね。

非営利団体AOM創立メンバー・プロモーター

日本企業は、いない・・・

標準規格であるはずのH.265には、多数の日本企業が関与していますが、しかし↑を見る通り、AV1の策定・普及団体でAOMのメンバーに日本の会社名はないですね・・・。

どうやら、開発ベンダーはAOMに参画しても、開発コストを分担するだけで、特許のライセンス収入は見込めない模様。

でも、今、時代はオープンソースなので、特許収入は難しくなりそうですね。日本企業はそろそろ、割り切った方が良いかもしれません。これでは生き残れません。

次世代MPEGコーデックH.266/VVCも・・・

このままだと、次世代MPEGコーデックH.266/VVCも同じ轍を踏むかもしれませんね。

Android向けアプリでは、Netflixの10bit対応コンテンツを再生

Netflixのブログでは、今回発表のAndroid向けアプリで採用されているAV1デコーダーは、VideoLANが開発したdav1d。Netflixの10bitカラー対応コンテンツを再生できるように最適化されていると書かれています。

現在、モバイルで使用しているGoogleの「VP9コーデック」と比較しても、画質はそのままでビットレートを約20%削減できるそう。

Netflixは、VP9の他に、HEVC(4K HDR用)、MPEG4 AVCも利用していますが、モバイルで初めてAV1に対応するのが、Netflixと言うところが面白いですね、気になります。権利問題だけでなく、最終的には、リアルタイムのテレビ的な動画にまで参入してくるのか・・・と勘繰ってしまいます。

参考:Netflixブログ

さて、このAV1は一部のタイトルにのみ使用されるそう。使用されるのは、今のところ、Androidのスマートフォンで、ユーザーが「データの保存」機能を有効にしている場合のみ。

現段階では、ハードウェアにAV1のサポートを実装するために、メーカーと開発中だそうです。

一部の2020テレビでYouTubeの8KのAV1デコード

先月開催の「CES 2020」で、サムスンとLGは、一部の2020テレビでYouTubeの8Kストリーミング用のAV1デコードを行うことを発表していました。

4K、8K・・・・と、どんどんデータが重くなり、WEBサイトだけでなく、経路自体もパンクしたら困るし、データが軽いのは良いことだし、有難いですよね・・・

LGだと、2020 Signature OLED、NanoCell 8K TVは、対応する模様。

参考:AOMメディアニュース

ハードウェアに対応するのはこれから!?

また、「チップス&メディア社、 AV1ビデオ規格を含む世界初のリアルタイム マルチスタンダード・ビデオデコーダIP、 WAVE517を正式リリース」と言う記事も見たので、この先はAV1に対応した機器がどんどん発売されていくのかな?

また、台湾のリアルテックも、AV1ビデオデコーダーとCAS機能を統合した4K UHDセットトップボックスSoC(RTD1311)を昨年発売したとあるので、AV1のハードウェアデコーダーはこの2020年は、さらに製品化されるんでしょう。

さいごに

個人的には、次世代MPEGコーデックH.266/VVCも同じ轍を踏む可能性もあり、怖くなります。日本企業たち、頑張って欲しい!!

とりあえず、私もNetflixユーザーですが、現在、スマートフォンで見たりはしていないんです。やはりデータの重さも気にはなりますし・・・。

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