4Kブルーレイこと、Ultra HD Blu-rayに対応したコンテンツが徐々に増え始めてきました。また、再生環境についても対応機種が徐々に発売されています。
私は、今年の夏にDMP-UB900を購入したのですが、まだまだ対応コンテンツが少ないため、パナソニックが購入向けにUltra HD Blu-rayの作品をプレゼントしていました。
とは言っても、2016年10月時点で再生対応機器を国内で発売しているのは、なんとパナソニックのみで、対応機種はまだ5機種というちょっと寂しい感じ。
最近ようやく盛り上がりつつあるUltra HD Blu-ray対応機器を今買うべきか、買うならどの機器を買うべきを比較してみました。
そもそもUltra HD Blu-rayで見る価値は?
4KブルーレイともいわれているUltra HD Blu-rayを購入する価値はどこにあるのでしょうか?
まずは、お気に入りのコンテンツはいつでも見たい、なかなか映像配信サービスでは流れていないコンテンツを視聴したいという点があると思います。
しかし、それ以外にもUltra HD Blu-rayならではの価値があります。
それは、Netflixやスカパー!4K、ひかりTV等の映像配信では実現しないクオリティにて楽しめるからです。
従来のHD放送と比較すると、上記のサービスで最初に4K映像を見るとその高画質にある一種の感動を覚えますが、Ultra HD Blu-rayではそれを上回る超高画質が家で見ることが実現します。映像配信サービスとUltra HD Blu-rayとの大きな違いは、映像の最大ビットレートです。
インターネット及び衛星放送を使った映像配信サービスは、4K映像を約20Mbps~30Mbps程度にまで圧縮しています。
衛星放送システムやインターネット・フレッツ等を用いた配信では、今のところこれ以上の大幅な帯域を確保することが難しいのが現状です。
一方で、Ultra HD Blu-rayディスクは最大100Mbpsの転送能力があります。今、市販で発売されているUltara HD Blu-rayでは中々100Mbpsを目一杯使ったコンテンツはあまりないと思いますが、約4倍弱の容量があるため、より圧縮を抑えた高画質な映像を記録することが可能です。
4K映像と言っても、30Mbpsと100Mbpsの映像では情報量が絶対的に違うため、細かい部分の表現や滑らかさ、ノイズなど様々な部分で差が生まれてしまうため、コンテンツの持っている本来の画質を楽しむには配信サービス経由よりもUltra HD Blu-rayで見る方がより楽しめるようになります。
対応機種は全部で5機種(2機種は11月発売)
2016年10月時点では、上記の記載した通り、Ultra HD Blu-rayを再生出来る機器は、11月発売予定の2機種(UBZ-2020/UBZ-1020)を含めて5機種のみとなっています。
まだ、Ultra HD Blu-rayディスクへ録画が可能な機器は存在しないため、「Ultra HD Blu-ray対応」というのはあくまでも再生出来ることを意味しています。
そのため、対応機種5機種のち、3機種(DMR-UBZ1/DMR-UBZ2020/DMR-UBZ1020)がパナソニックのブルーレイディスクレコーダシリーズであるDIGA(ディーガ)から発売されていますが、Ultra HD Blu-rayに関しては再生のみとなります。
DIGA(ディーガ)から3機種:UBZ1/UBZ2020/UBZ1020
パナソニックのBlu-rayレコーダシリーズであるDIGAからは、Ultra HD Blu-ray対応機種が今後発売される新規2機種であるDMR-UBZ2020/DMR-UBZ1020を含めて3機種あります。
現在、発売されているDMR-UBZ1は世界初のUltra HD Blu-ray対応機種であり、フラグシップモデルとなります。そのため、機器の価格も高く、発売されてから約1年ほど経過していますが、現在でも約30万円ほどします。機種自体には、高画質・高音質を実現するために様々な高品質なパーツが数多く採用されているモデルとなります。
11月発売予定のDMR-UBZ2020/DMR-UBZ1020は、DIGAシリーズの中でHDDの容量自体はエントリーモデルですが、価格は上位モデルに位置づけされる内容となっています。
プレーヤーから2機種:UB900/UB90
再生専用プレーヤーからは、DMP-UB900とDMP-UB90の2機種が発売されています。2機種の位置づけは、DMP-UB900がDMR-UBZ1相当の上位モデル。DMP-UB90が今度発売されるDMR-UBZ2020/UBZ1020相当よりちょっといいぐらいの位置づけかと思われます。
私は、レコーダ自体はすでに持っており、DIGA自体の操作感が個人的に合わないこともあって(むしろ家族はDIGAの方が好みですが)プレーヤーであるDMP-UB900を選択しました。
DMR-UBZ1相当と言われているものの、画質・音質の基本性能に関してはDMR-UBZ1の方が少し上かなと感じています。しかし、その分機能的にこちらの方が優れている面もあり、購入を検討した際、さすがに30万円は出せないなぁということでこちらのDMP-UB900になりました。ですが、こちらもかなりお高く、かつプレーヤーなので家庭内決済は大変でした。
機能差分は以下の表にまとめています。
画質・音質に違いはあるのか?
種別 | DIGAシリーズ | Ultara HD Blu-rayプレイヤー | |||
---|---|---|---|---|---|
機種名 | UBZ1 | UBZ2020 | UBZ1020 | UB900 | UB90 |
ULTRAHD PREMIUM 認定 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
4Kリアル クロマプロセッサplus | ○ | - | - | ○ | - |
4Kリアル クロマプロセッサ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
4K/60p/36bit 出力対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
4Kダイレクト クロマアップ コンバートplus | ○ | - | - | ○ | - |
4Kダイレクト クロマアップ コンバート | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
4K超解像度 /W超解像 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
階調ロスレス システム | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
マスター グレードビデオ コーディング | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
アナログ音声 7.1ch出力 | - | - | - | 1系統 | - |
アナログ音声 2ch出力 | 1系統 | - | - | 1系統 | - |
バランス 音声出力 | 1系統(2ch) | - | - | - | - |
光デジタル 音声出力 | 1系統 | 1系統 | 1系統 | 1系統 | 1系統 |
同軸デジタル 音声出力 | 1系統 | - | - | 1系統 | - |
リ.マスター /真空管サウンド | ○ | - | - | ○ | ○ |
オーディオ 192kHz/32bit D/Aコンバーター | ○ | - | - | ○ | - |
参考価格(税込) (ヨドバシカメラ) 2016/10/30 | ¥308,660 +point 10% | ¥107,870 +point 10% | ¥97,070 +point 10% | ¥121,280 +point 10% | ¥63,840 +point 10% |
すべての機種にて「ULTRAHD PREMIUM」認定済
Ultra HD Blu-ray再生に対応するすべての機種にて「UHD Alliance」が認定する「ULTRAHD PREMIUM」を満たしています。つまり、4K/HDRを視聴するために十分なスペックを満たしていることとなります。「UHD Alliance」及び「ULTRAHD PREMIUM」については、下記をご覧ください。
価格的には、新機種(UBZ2020/UBZ1020)が魅力的
11月に発売されるDMR-UBZ2020及びDMR-UBZ1020は、現在発売されている3機種と価格で比較すると圧倒的に購入しやすい価格まで下がってきています。
これからUltra HD Blu-ray対応機器の購入を検討している方は、是非冬のボーナス商戦で検討するのがベストかと思われます。価格はどちらも10万円前後、HDDの容量はDMR-UBZ2020が2TB、DMR-UBZ1020が1TBと価格の割には多くはありません。
しかし、最近のレコーダはUSBのHDDを増設出来るので1TBあれば基本的な内容はカバー出来るかと思います。
高画質・高音質で選ぶならDMP-UB900がお勧め
現在発売されているULtra HD Blu-ray対応機種の中で画質・音質の面でフラグシップ機種はDMR-UBZ1であることはほぼ間違いないと思います。DMP-UB900も同等クラスですが、細かい部分を見ていくとやはり差があります。
しかし、性能差を上回る価格差があると私は感じています。もちろん、DIGAというレコーダ機能の差分もありますが、約18万円ほど違います。私個人的には、この価格差のメリットを見出せず・かつこの価格差の予算があればテレビに回した方が賢明という判断もありました。
そもそもUltra HD Blu-rayとは?
Ultra HD Blu-rayとは、既存のBlu-ray(ブルーレイ)を拡張し、高画質な4K映像の映画も記録可能とした規格です。そのため、日本では4Kブルーレイとも言われています。
Ultra HD Blu-rayディスクは、片面2層で66GB、片面3層で100GBの容量があります。
えっ、それだけだとすでに2010年に規格化されたBDXL3層メディアは100GBとなっており、市販化されているか一緒じゃないのと思われるかもしれません。
Ultra HD Blu-ray規格の特徴は等倍速100Mbps
Blu-rayディスクの容量という観点では、すでにBDXLにて規格化された1層あたり約33GB、3層メディアで100GBであることは変りません。
たしかにBDXLは初期のBlu-ray規格とは記録構造が異なっており、物理構造上はすでに次世代であるUltra HD Blu-rayと同じ構造になっています。
しかし、既存のBDXLとUltra HD Blu-rayでの違いは読み出し速度にあります。既存のBlu-rayの当倍速は36Mbpsとなっており、高画質な4K/60pかつ、HDRの映像信号伝送にはスペック不足です。そのため、Ultra HD Blu-rayでは既存Blu-rayの3倍速に相当する等倍速が100Mbpsに引き上げられています。
HDR、広色域BT.2020に対応
既存のBlu-rayと違うところは、当然のことながら4K映像を前提していること。厳密に言えば、これはディスクの物理構造上の違いというよりは、映像規格の違いになります。
Blu-rayがHD規格のBT.709を前提にしているのに対して、Ultra HD Blu-rayは4K/8K映像規格であるBT.2020を前提に仕様が策定(8Kについては未サポート)されています。
そのため、色域もBT.2020対応になっていることや従来のBlu-ray規格にはなかったHDR対応が含まれています。
NetflixやYouTubeなどのネットサービスにも対応
種別 | DIGAシリーズ | Ultra HD Blu-rayプレイヤー | |||
---|---|---|---|---|---|
機種名 | UBZ1 | UBZ2020 | UBZ1020 | UB900 | UB90 |
4K Netflix | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
4K/HDR Netflix | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
4K Amazonビデオ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
4K YouTube | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
4K アクトビラ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
hulu | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
TSUTAYA TV | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
radiko.jp | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
おうちごはん | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Ultra HD Blu-rayに対応している機器は、Ultra HD Blu-rayディスク再生だけでなく、様々なネットサービスに対応しています。
一番最初に発売されたUBZ1だけは、ネットサービスのHDRに対応出来ないようです。
具体的には、今のところNetflixの4K/HDRコンテンツとなります。今後、YouTubeやamazonビデオでも4K/hDRコンテンツが展開されると思われますが、恐らくそれらについても非対応になるかと想定されます。
今買って損することは?
価格は絶対に下がる!
これを損というと少し語弊があるかもしれませんが、価格が下がることは誰しもが予想出来ることです。今のところUltra HD Blu-ray対応機器を出しているのが、パナソニックだけであるため、この分野ではまだ価格競争が進んでいません。
先日発表されたDMR-UBZ2020やDMR-UBZ1020は、DIGA上位モデルの+αの価値という位置づけですが、DMR-UBZ1やDMP-UB900/DMP-UB90は見たい人向けの製品ということもあって高価格です。それゆえにただ単にUltra HD Blu-ray対応というだけでなく、各パーツなどにもこだわっている製品となっています。
また、2017年春には、ソニーからも対応機器が発売される予定となっています。日本では未発売ですが、サムスンからはプレイヤーがすでに400ドル程度で発売されているため、普及が進むにつれ、対応機器は徐々に下がるでしょう。
HDMI規格が上がる可能性がある
あくまでも可能性ですが、HDMI規格が一つ上がる可能性があります。
発売されているUltra HD Blu-ray対応機器に搭載されているHDMI規格は、HDMI 2.0aです。この規格は2015年4月8日にリリースされました。このHDMI 2.0aは、4K/60pの映像がHDRに対応するために、HDMI 2.0の次のバージョンとしてリリースされました。
HDMI 2.0aにてサポートされているHDR信号は、「EOTF signaling」となります。つまりPQ方式の映像信号です。そのためHLG方式のHDR伝送には実は対応しません。また、HDRのメタ情報(metadata)については、「HDR static metadata」のみに対応しています。「HDR dynamic metadata」には対応出来ていないのが現状です。
そのため次の規格として、HDMI 2.1というバージョンリリースが予定されています。「HDR dynamic metadata」は、Dolby Vision(ドルビービジョン)対応に必要な情報となります。市販されているUltra HD Blu-rayは、HDR10を採用しています。Dolby VisionによるHDRは、シーンごとに最適なHDR情報に対応するため、より高品質な映像表現が可能となります。
すでにNetflixやひかりTVなどでは、Dolby Vison対応のコンテンツ配信を実施しています。
まとめ
11月発売予定の新機種2機種を含めて機能比較しましたが、私個人的なお勧めは、「DMR-UBZ1020」です。ヨドバシカメラの予約価格で上位機種のDMR-UBZ2020と比較すると約1万円差がありますが、今時1万円あれば3TBの外付けHDDが購入することが可能です。
DMR-UBZ2020とDMR-UBZ1020の機能差分はHDDの容量差分だけのようです。
あくまでも私だったらになりますが・・・、DMR-UBZ2020の購入予算でDMR-UBZ1020と外付けHDDのセットにすると思います。しかし、奥さんの意見を聞くと、外付けみたいな面倒だし・よくわからないものより、もし同じ予算で購入するなら1台で済むDMR-UBZ2020の方がいいと言っていました。人それぞれですね。
4KブルーレイことUltra HD blu-rayは、しばらくはパナソニックからの発売のみとなっているため、DIGA一体型・再生専用プレーヤーともパナソニックの独壇場です。
これまでは、価格がかなり高く、4K/HDRに対応する4Kテレビも上位モデルだけであったため、一部の映像にこだわる人向けという要素が強い部分がありました。
しかし、最近は、4K/HDRモデルがスタンダードのラインナップでも対応し、サイズによっては、10万円代前半で購入することが出来るようになり、4K/HDR対応の敷居がかなり下がっていよいよ普及期になってきたようです。
今後は、Ultra HD blu-rayのように4Kテレビの対応する周辺機器、ソフトも盛り上がってくると思われます。
4Kテレビを買ったら、一緒に欲しいのは、やっぱり4K Ultra HD Blu-rayが見られる機器ですよね。最新モデルもここから探せます。CHECKしてみましょう。
「4K Ultra HDブルーレイ作品」だけをまとめたページを作りました。いろいろ探すのに便利です。
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また、すべての「Ultra HDブルーレイ プレイヤー」にHDMIケーブルが付いている訳ではありません。必ず確認してください。また、スペックの高いHDMIケーブルで接続した方が綺麗に観られます。