CES2016にて、発表されたパナソニックの4K/HDR対応液晶テレビの2016年フラグシップモデルである「DX900シリーズ」がヨーロッパにて出荷開始となったようです。
しかし、日本を含むヨーロッパ以外の地域にて、このDX900シリーズの発売予定は、今のところ発表等はないようです。
しかしこのDX900シリーズは、先月より発売開始となったDX600シリーズ及びDX750シリーズの上位機種という位置づけであるため、夏のボーナス商戦までに?発売になるかもしれません。
DX900シリーズとは?
パナソニック4K液晶テレビのフラグシップモデル
DX900シリーズは、CES2016にて発表された2016年の最新4K液晶テレビです。このDX900シリーズは、すでに日本で発売されているDX600・DX750シリーズ同様にもちろんHDRに対応しています。
また、このDX900シリーズは、パナソニック4K液晶テレビの中で最多となる、512分割エリアバックライトを採用しており、色彩チューニングに関しては、PHLのエンジニアが担当するなど、パナソニックの中で最も美しい映像表現が可能な4K液晶テレビとなっています。
4K液晶であることを強調した理由があります。こちらも、残念ながら日本ではまだ発売されていませんが、パナソニックは、IFA2015にて、ヨーロッパ市場向けにOLED(有機EL)よる4Kテレビ(TX-65CZ950/TX-58CZ950)を発表しています。
パナソニックとしては、液晶はDX900シリーズ、OLED(有機EL)はCZ950シリーズがフラグシップモデルという扱いのようです。両方とも日本での発売が予定されていないのが残念ですね。
世界初の「Ultra HD Premium」認定モデル
DX900シリーズは、CES2016にて、UHD Alliance定める「Ultra HD Premium」認定に世界で初めて準拠した4Kテレビです。
4K液晶テレビが認定される基準は、以下となっており、2016年モデルのフラグシップに相応し性能を有している4K液晶テレビとなっています。
- 画像解像度:3840×2160
- カラービット深度:10bitの信号
- カラーパレット(WGC)に対応
- 信号入力:BT.2020に準拠
- 色空間:DCI-P3が定める色空間を90%以上再現
- SMPTE ST2084のEOTFに準拠したHDRに対応していること
- ピーク輝度1,000nit以上かつ黒レベルが0.05nit以下
今年中に最新Firefox OS2.5が提供に

DX900シリーズに搭載されているFirefox OSはバージョン2.0となっています。
明確な時期は、まだ発表されていませんが、2016年中に最新のFirefox OS 2.5をDX900シリーズ向けに提供する予定とFirefox OSの開発元であるMozillaが発表しています。
追加される主な機能として、Mozillaの発表によると、以下機能がメインのようです。
Web コンテンツを簡単に送ることのできる「テレビに送る」機能をはじめ、複数のデバイス間にわたってシームレスな体験を実現するため、プラットフォーム間で Firefox を同期する機能
https://www.mozilla.jp/blog/entry/10522/
他のパナソニック4Kテレビが、同バージョンアップ対象になっているかは、明記されていないため、具体的な新機能を含めて継続ウォッチしていく予定です。
DX900シリーズは、65インチと58インチの2モデル
CES2016では、DX900シリーズは、65インチモデルである「TX-65DX900」だけかなと勘違いしていましたが、ヨーロッパにおける出荷開始情報を見ると、58インチモデル「TX-58DX900」もあるようです。
ヨーロッパ向けモデル型番
- TX-65DX900
- TX-58DX900
北米向けモデル型番
- TC-65DX900
- TC-58DX900
日本向けモデル型番(仮)
- TH-65DX900
- TH-58DX900
日本向けは、他のパナソニック液晶テレビの型番の通例でいくと上記の型番になるかと思います。あくまでも想像ですが、過去機種とも被っている型番はないため可能性はあります。
主要シリーズ別スペック比較:DX900/DX750/DX600
2月から発売が開始されているDX750/DX600シリーズとディスプレイ部分の主要スペック比較を行っています。DX900シリーズのデータは欧州モデルの数値であるため、あくまでも参考値となります。
シリーズ名 | DX900 参考:欧州モデル | DX750 | DX600 |
---|---|---|---|
解像度 | 3,840×2,160 (4K/UltraHD) | 3,840×2,160 (4K/UltraHD) | 3,840×2,160 (4K/UltraHD) |
Panel Drive (※1参考値) | 4K 3000Hz BMR ※2 BMR | 4K 1800Hz BMR | 4K 800Hz BMR |
HDR | 対応 | 対応 | 非対応 |
映像モード | ダイナミック スタンダード (リビング)※3 シネマ シネマプロ ユーザー THX 4K(暗) THX 4K(明) プロフェッショナル1 プロフェッショナル2 | ダイナミック スタンダード リビング シネマ シネマプロ ユーザー | ダイナミック スタンダード リビング シネマ シネマプロ ユーザー |
広色域 | 対応 | 対応 | 対応 |
4K Studio Master HCX+/HCX ※3 | 対応 (HCX+) | 対応 (HCX) | 非対応 |
THX 4K ディスプレイ規格 | 対応 | 非対応 | 非対応 |
エリア制御 バックライト | 対応 512分割 | 対応 18分割 | 非対応 |
- ※1 :「Panel Drive」の値は、日本のパナソニックHPでは公開されていないため、DX750/DX600シリーズとも欧州モデルの値を記載しています。
- ※2:BMRとは、「BackLight Motion Rate」の略称で、バックライト駆動性能値となっています。高速なほどきめ細かいバックライト制御が可能となります。
- ※3:映像モード「リビング」は、欧州モデルには設定されていませんが、同映像モードは、国内モデル用に設定されているため、DX900シリーズが日本国内で発売される場合は、恐らく設定されると想定しています。
- ※4:HCXとは「ヘキサクロマドライブ」のこととなります。DX900シリーズには、ヘキサクロマドライブの進化版であるHCX+が搭載されています。
参考:パナソニック(英国)HP上の各DXシリーズスペック表
DX900シリーズ(65インチ)
//www.panasonic.com/uk/consumer/viera-televisions/led/tx-65dx902b.specs.html
追記:リンク先が削除されみられなくなりました。
DX900シリーズ(58インチ)
//www.panasonic.com/uk/consumer/viera-televisions/led/tx-58dx902b.specs.html
追記:リンク先が削除されみられなくなりました。
「4K Studio Master HCX+」とは
「4K Studio Master HCX+」とは、パナソニックの最新映像プロセッサです。
「4K Studio Master HCX+」は、IFA2015にて発表され、ヨーロッパにで先行発売されているOLED(有機EL)4Kテレビ(TX-65CZ950)に搭載している「4K Studio Master PRO」がベースとなっています。
映像のチューニングはカラーリストのMike Sowa氏が担当しており、マスターモニタ(マスモニ)に迫る再現性が確保されているとのこと。
ヨーロッパでの発売価格(参考)
65インチモデル(TX-65DX900)
1£:161円換算
£3,299:約53.1万円(税別)
//www.pricerunner.co.uk/pli/2-3138265/TVs/Panasonic-Viera-TX-65DX902B-Compare-Prices
58インチモデル(TX-58DX900)
1£:161円換算
£3,299:約45万円(税別)
//www.pricerunner.co.uk/pli/2-3138266/TVs/Panasonic-Viera-TX-58DX902B-Compare-Prices
国によって、税金事情が異なるため、あくまでも参考価格となりますが、「思ったより高くない」が第一印象です。
この価格であれば、十分日本でも売れる気がしますね。
まとめ
パナソニックは、2016年の4K液晶フラグシップモデルである「DX900シリーズ」の日本での発売について、現時点(2016/3/21)では何もアナウンスしておりません。
4K液晶テレビのフラグシップモデルであるAX900/AX900Fシリーズは、現行ラインナップではあるものの、2014年モデル。
これから、ソニー、東芝等が恐らく2016年モデルを順次発表・発売してくるでしょう。
テレビ需要が高まる夏のボーナス時期に、フラグシップモデルが2014年のまま迎えるとは到底思えないため、個人的には、夏までにこのDX900シリーズが国内で発売されるのではないかと想定しています。