Netflix、amazonプライムビデオなどのHDR対応最新動向

 

2016年は、HDR普及元年になると、以前の記事にて紹介させてもらいました。

Netflixやamazonプライムビデオを中心にインターネット経由でのVOD配信サービスにおけるHDR対応最新動向をご紹介します!

Netflixの動向

今年後半にオリジナル4K作品にてHDR配信開始はほぼ確実に

今年のCES2016での基調講演にて、発表された通りNetflixは、今年後半(早ければ6月?)の早い段階にHDR対応配信を予定しているようです。

HDR対応に向けた最大のボトルネックは、ストリーミング帯域の模様。最低でも16-20Mbpsは必要とのこと。

日本の光ブロードバンドでは、大よそ問題ない帯域ですが、すでに190ヶ国にて配信サービスを提供しているNetflixから見ると、世界全体でこの帯域が確保出来る地域は限られているように見えるようです。

Netflixは、MPEG-DASHという配信方式を主に用いて、帯域の状態に合わせた可変ビットレートによる映像配信を行っています。しかし、4K/HDR対応の映像配信をする場合、最低でも16Mbpsが必要になってくることから配信する国・地域は限られてる模様です。

Netflixでは、サービス提供を行っている国のISPごとの配信可能な帯域を監視しており、国単位ではなく、ISP単位での最適化を行っています。日本の計測ページは以下となっています。

https://ispspeedindex.netflix.com/country/japan/

モバイルについても対応するかも?

Mobile World Congress 2016 (MWC2016)にて、モバイルへのHDR対応が飛び出し話題となりました。

すでに日本では、ひかりTVがモバイル向けのHDR対応を実施していますが、MWC2016での発表内容を見ると、4Kでなく、通常のモバイル向け配信アプリをHDR対応にするのでは?ということのようです。

まずは、iOS向けアプリからHDR対応が検討されているとのこと。モバイル端末で視聴する場合、画面が小さいため、解像度を上げるよりもHDR対応にした方が、ユーザー満足度を上げることが出来ると考えているようです。

amazonプライムビデオの動向

先日、Dolby VisionによるHDR対応ストリーミングを開始すると、アメリカで発表がありました。Dolby Visionに対応している国内メーカーは、いまのところありません。

国内で唯一、Dolby VisionによるHDRをサポートしているのは、ひかりTVどこでもの4K/HDR配信です。

Dolby VsionでのHDR対応を大々的にアピールしているのは、LGとsumsungが有名ですね。また、北米では、VisioがDolby Visionに対応しているようです。

日本でのamazonプライムビデオは、まだまだ知名度が低いですが、元TopGearメンバーによるオリジナル作品を4Kで制作中など、今後一気に普及するサービスになる可能性があります。

国内サービスのHDR対応最新動向

VODサービスとしては、ひかりTVが国内で最も最初にHDR対応を行っていますが、今のところ他社サービスにて、正式に開始するという発表はありません。

その他の映像配信サービスにて、HDR対応が予定されているのは、スカパー!4KでのHLG方式を使った4K/HDR放送が有力です。このHLG方式は、NHKとBBCが開発を進めている方式であり、生中継にも対応が可能です。

また、今後、国内のVODサービスで最もHDR対応の可能性があるのは、Huluだと考えています。現時点では、4Kにすら対応を行っていませんが、Huluの親会社である日本テレビ(日テレ)は、十分な4K番組の製作実績があり、HDR対応番組の製作にも取り組んでいます。

さらに、あの有名な長寿番組「笑点」を8Kにて撮影するという、8K製作番組にもチャレンジしていることから、製作側のノウハウは十分にあると思われます。

今後の4K/HDR対応動向が最も気になるVODサービスです。

その他サービス動向は?

CES2016にてうっかり発言?によって明るみになったYouTubeのHDR対応ですが、今のところ大きな動きはありません。

日本国内では、12月からBSデジタル(17ch)にて開始される、4K試験放送もHDR対応の予定となっています。

まとめ

少しずつ流行?のキーワードとして聞くようになった「HDR」

各テレビメーカーは、大型テレビにおける4Kが当たり前になりつつある今、4Kテレビ購入の新たなアピールポイントにするため、今後さらに宣伝してくるでしょう。

しかし、現時点では、対応しているサービスは少なく、サービスが対応していても、コンテンツ(作品)不足であることは間違いありません。

Ultra HD Blu-rayという通称4Kブレ―ルイの出荷が始まり、ソフト側もHDR対応が始まっていますが、映像配信サービスを含めて4K/HDR対応コンテンツが充実してくるのは、今年の後半(秋以降)になりそうです。

4Kにて特定のサービスやコンテンツを見たい!という内容がない限りは、個人的に4Kテレビ購入を秋まで待つことをお勧めします。

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