もうすぐ2018年の「NHK技研公開」が5月24日(木)から5月27日(日)まで開催します。今年は何を見に行きましょう?基本的には、東京オリンピックに向かた8Kの中継技術が主に感じますね。NHKのサイトから見どころをピックアップしたいと思います。
「技研公開2018」5月24日(木)~5月27日(日)開催
今年もこの時期がやってきました。「NHK放送技術研究所」が各種研究成果を一般に披露する「技研公開2018」が、5月24日(木)から5月27日(日)まで開催します。
NHK技研のホームページ:https://www.nhk.or.jp/strl/open2018/index.html
72回目を迎えるそうです。ビックリしますね。個人的には、タブレットを持っていくと便利だなと感じます。HPに載っているページをPDFで見ながら廻ると便利です。
さて、今年の技研公開では、NHK技研3か年計画で掲げている、より臨場感・実物感の高いコンテンツをお届けするための技術「リアリティーイメージング」や、インターネットを活用してユーザー体験を向上させる技術「コネクテッドメディア」、そしてAIにより効率的に番組を制作する技術「スマートプロダクション」を柱に展示。
計24項目の研究成果と5項目の体験型の展示になり、技研が想定する2030~2040年ごろの放送技術の未来像に紹介するそうです。
4K・8K関連やVRの研究は?
基本的には、東京オリンピックに向かた8Kの中継技術が主です。また、VRや3Dに関してもかなり完成度も上がり、これらを見るのも楽しいと思います。
フルスペック8K対応レーザープロジェクタと、22.2マルチチャンネルによる8Kコンテンツ(約12分)も例年同様、見られます。
また、8Kの技術を使った手術の実用化も近づいています。こちらも毎年展示されています。
放送局外でフルスペック8Kライブ制作を実現
フルスペック8K制作が可能なシステムの研究開発を進めています。フルスペック8K対応機器を制作中継車に搭載することで、放送局外でのフルスペック8K番組制作を可能にし、8K生中継を可能にします。
この「フルスペック8K制作中継車」は初お目見え?定かではないのですが、私自身はイベントなどでも見たこともないです。
● フルスペック8K制作中継車
放送局外でのフルスペック8Kの番組制作を可能とします。フルスペック8Kに対応する制作機器は、カメラ、記録装置、スイッチャー、文字合成装置、フレームシンクロナイザー、映像モニター、波長多重伝送装置を搭載。
● フルスペック8K小型波長多重伝送装置
フルスペック8K映像を光ファイバーを用いて非圧縮(144Gbps)で遠隔地(最大70km)に送ることができ、車載可能な「小型波長多重伝送装置」を開発。離れた中継会場からの伝送やPV会場への伝送でも画質劣化のないフルスペック8K信号伝送が可能です。
● フルスペック8Kプロダクションスイッチャー
最大6系統のフルスペック8K素材を、映像切り替えが可能な制作装置。 ワイプなどの切り替え効果はもちろん、フルスペック8Kで初めて「ピクチャーインピクチャー」表示も実現します。
フルスペック8K映像のリアルタイム圧縮伝送
生中継に向けた技術としては、スタジアム等で撮影したフレーム周波数120Hzの8K映像を、1/1000程度に圧縮、8K放送規格に準拠した、リアルタイムでも8K120Hz映像を伝送可能なエンコーダー・デコーダを、世界で初めて開発しました。
この研究は(株)富士通研究所との共同開発に進めています。
8K4倍速スローモーションシステム
スポーツ番組など長時間の試合でも、撮影しながら可変速スロー再生が可能となります。
8K4倍速スロー再生というのは、8K映像を通常の4倍速相当にあたる毎秒240枚で撮影できる「3板式8K高速度カメラ」と、4倍速8K映像をリアルタイムに記録しながら毎秒60枚のスローモーション再生が可能な装置。
昨年の INTER BEE、先日のNHK番技展でも8K2倍速でのスローモーションしか見ていないので、これは見どころですね。デモ展示しているので見ましょう。
● 高速度撮影に対応したイメージセンサー
4倍速の8K撮影に対応するために、 高速アナログ—デジタル変換器を備えた 1.25インチ3,300万画素CMOSイメージセンサーを新たに開発。
● 8K4倍速高速度カメラ
8K映像を4倍速で撮影できる高速度カメラを開発。カメラヘッドとカメラコントル ユニット (CCU)の間はカメラケーブル1本で接続し、CCUからは8K4倍速の映像が
U- SDIインターフェースケーブル2本で出力されます。
●8K4倍速スロ ー再生装置
圧縮技術とSSD並列化技術により記録装置を高速化し、4倍速の8K映像をリアルタイムに記録しながら同時に60Hzでスローモーション再生ができる装置を開発。
8K番組素材の移動伝送技術
8Kスーバーハイピジョンの移動生中継の実現を目指し、マラソンや駅伝などの移動生中継を8Kで実現する、無線伝送装置(FPU)の開発を進めています。
双方向通信機能を 用いた大容量かつ高信頼性を実現するBK移動伝送技術と、FPUで受信 した無線のIF信号をイーサネットで伝送する技術を紹介します。
FPUは、テレビ放送用の無線中継伝送装置のこと。マラソンや駅伝では、移動中継用FPUが使用されています。
大容量伝送のための適応送信制御MIMO技術
伝搬路に合わせて、送受信ビーム変調方式を変更し、移動環境での大容量伝送を実現。同じ周波数・帯域幅で従来の3倍以上、最大145Mbpsで8K映像を伝送できる模様。
また、途切れない映像伝送を実現するレートマッチング技術や、複数のアンテナの信号を束ねて伝送できるイーサネットIF伝送技術により、1本のケーブルにまとめて伝送できるようになったそうです。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、着々と進んでいますね。
あとは8K対応のテレビもシャープから発売されましたが、この8Kの魅力の一つに音響もあると思うのです。
この音響、22.2ch音響と呼ばれ、これまでNHKの展示では仰々しく展示していました。今回は、この22.2ch音響を気軽に楽しむためのシステムを展示するとあります。これを是非見たいですね。
22.2マルチチャンネル音響の家庭視聴スタイル
8Kの音響方式である22.2マルチチャンネル音響(22.2ch音響)は、前後左右に加え上下方向にもチャンネルを配置した3次元音響システムです。
展示では、「トランスオーラル再生法」や、「少ないチャンネル数への変換法」を用いて、22.2ch音響を家庭で手軽に楽しむための音響システムを紹介する予定です。
トランスオーラル再生法とは? 音源の位置から両耳までの音の伝わり方を再現することにより、スピーカーを設置することなく、あたかもその方向から音が聞こえてくるかのような効果を作り出す方法になります。
展示は3つ
【展示1】ラインアレースピーカ ーで22.2ch
前方に配置した直線状のラインアレースピーカーで、22.2ch音響のスピーカーに囲まれたかのような包み込まれ感や、側方や後方、上方から聞こえる音の方向感を再現。
ラインアレースピーカーは、テレピと並ぺて設置するセパレート型のほかに、スピーカーユニットを小型化したテレビ内蔵型も実現可能のとこと。
【展示2】ステレオスピーカ ーで22.2ch
前方に配置したステレオスピーカーで、再現可能。手レピに内蔵のスピーカーにも適用可能。
【展示3】既存のホームシアターで22.2ch
22. 2ch音響をより少ないチャンネル数に変換することで、既に販売されているホームシアターでも2.2ch音響で制作された番組が楽しめるとのこと。
8KディスプレイによるVR
バーチャルリアリティー(VR)は、見る人の動作に合わせてコンピュータが映像を作り出すことで、あたかも自分がそこにいるかのような体感ができる技術。
CGによる映像を8Kディスプレイに表示することで、より没入感のあるVR映像を体感可能。この8Kディスプレイは、8Kの有機ELを使い画素の構造が見えず、より没入感を感じられそうです。
● 高精細VR
世界最小サイズ8.3インチのBK有機ELデイスプレイを用いたVRを体感可能。D
● 非球面レンズによるVR映像の改善
8Kデイスプレイ専用の非球面レンズを使用することによリ、VR映像の画質を改善。
● CGによる立体動画コンテンツ
CGコンテンツをリアルタイムにレンダリングすることで、立体感のある高精細のVR映像を動画化。
さいごに
NHKのHPにも詳しい行き先が載ってますが、こちらに詳しく書いているので参考にどうぞ。
https://aoi-travel.net/2016/05/27/2016-nhk-giken/
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