ソニー、スマホ向け4K動画対応ハイブリッドAFと3軸手ブレ補正内蔵CMOSセンサーを発表

2/16日、ソニーは主にスマートフォン向けの新型イメージセンサーExmor RS(エクスモア アールエス)「IMX318」の商品化を発表しました。CMOSセンサーは、1/2.6型で有効画素数2,250万画素の積層型となっております。この新型センサーは、最速0.03秒の高速ハイブリッドAFに加え、動画向け3軸電子手ブレ補正機能が内蔵されています。

「ハイブリッドAF」と「3軸電子手ブレ補正機能」

オートフォーカス(AF)は、「像面位相差AF」と「コントラストAF」によるハイブリットAFとなっており、AF速度は、世界最速0.0.3秒の超高速性能が特徴です。

最速0.03秒での高速ハイブリッドオートAF性能紹介用YouTube動画が公開されています。動画からすぐにピントが合うことは確認出来ますが、もうちょっと実演を入れてほしかったですね。

 

3軸手ブレ補正比較動画。センサーに内蔵されている手ブレ補正は電子手ブレ補正機能となっています。4Kをスマホ撮影すると、手ブレがひどいため、手ブレ補正があるHD映像より画質が低下して見える課題がありましたが、今回の新型イメージセンサーExmor RS「IMX318」では、その課題もだいぶクリアしているようです。

小型化しつつも、高画質・高解像度を維持、新機能も搭載

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従来センサー(左図)「IMX230」と新型センサー(右図)「IMX318」 出典://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201602/16-013/

これまでのCMOSイメージセンサーExmor RS「IMX230」は、1/2.4型で2,100万画素でしたが、新開発のCMOSセンサーは、さらに小さい1/2.6型で2,250万画素となっております。

センサーサイズ自体は小型していますが、画素はさらに高解像度が行われており、1画素あたりの光量低下が懸念されますが、上記の比較画像で確認すると、そのあたりはきっちり考慮されて開発されているようです。

CMOSセンサーサイズが小型することにより、スマートフォンに搭載するカメラユニット全体の小型化が行えます。また、CMOSセンサーの小型化は、被写界深度がさらに深くなることや、小型サイズでの光学ズームユニットが可能になるなど、スマートフォンとして多くの新機能が期待されます。

レンズ解像度補正機能

新たに「レンズ解像度補正」が搭載されているようです。しかも、手ブレ補正と同時にレンズの歪みを補正することが可能となっており、美しい動画の撮影が可能です。ソフトウェア処理ではなく、CMOSセンサー自体で処理を行うため、低消費電力での補正が可能になっています。

ハイフレームレート動画撮影に対応

新型CMOSセンサーでは、Full HD 1,080p(1,920 X 1,080)の解像度で120fpsでのハイフレームレート動画撮影が可能です。また、720pであれば、240fpsでのハイフレームレート動画撮影が可能であるため、これまではデジカメ等でしか撮影出来なかったスローモーション撮影も可能になっているようです。

性能比較

型名IMX318IMX230
製品発表2016年02月16日2014年11月17日
量産開始時期2016年5月2015年4月
有効画素数2,250万画素2,100万画素
センサーサイズ1/2.6型1/2.4型
4Kフレームレート
3,840 x 2,160
30fps30fps
1080p
(Full HD)
120fps60fps
720p
(HD)
240fps120fps
感度
(標準値F5.6)
61mV78mV
主な機能ハイブリッドAF
動画向け3軸電子手ブレ補正
HDRイメージング
レンズ解像度補正
白点補正
NR
像面位相差AF
HDRイメージング
白点補正
NR
出力MIPI C-PHY1.0(3 trio)
D-PHY1.2(4lane)
MIPI(4lane)
画像フォーマットBayer RAWBayer RAW

まとめ

今回発表された新型CMOSセンサーは、2016年5月より量産出荷となっているため、9月に開催されるIFA2016あたりにこのセンサーを搭載した新型スマートフォンが発表されるのではないかと思われます。

今回のセンサーで最も期待されるのが、手ブレ補正機能です。現状のスマートフォンでは、ほぼ手ブレ補正機能がないため、ジンバル等を使って撮影をしていますが、サンプル通りに補正がかかれば、より手軽に4K動画撮影が可能になりそうですね。

【2016/2/22追記】

2016年2月22日、ソニーモバイルコミュニケーションズが、スペイン・バルセロナで開幕するMobile World Congress(MWC2016)の開催に合わせて、Xepria Z5の後継機、新スマートフォン「Xperia X」シリーズ3モデルを発表を行いました。

Xperia Xのカメラについて、「Predictive Hybrid Autofocus(予測ハイブリッドオートフォーカス)」搭載と発表されていますが、センサーサイズや画素数からみると今回のセンサーは搭載されないようです。

Xperia Xシリーズの発売開始は、2016年夏発売予定。国内では、Xperia X Performance(最上位機種モデル)のみ発売予定となっています。

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