4K8K放送が普及していこうとしていますが、スタジアムの照明も4K8K放送に対応した照明器具に変えていく必要がありそうです。放送機材やソフトに関してばかり目が行きがちでしたが、確かに照明器具って重要ですよね。この照明器具ならちらつきを抑え、スローモーション時にも綺麗に撮影が可能なようです。
4K・8K放送対応 スタジアムビームLED投光器を発売
パナソニック株式会社 (エコソリューションズ社)は、次世代テレビ放送に配慮した、4K・8K放送対応の「スタジアムビーム LED投光器 マルチハロゲン灯Sタイプ2000形相当」の2つの品番を、2017年10月より受注をはじめました。
この照明、名前だけ見たら何のこと?かと思いますよね。4K・8K超高精細テレビ放送向けの演色性指標と推奨値をクリアした投光器だそうです。
4K・8K放送では、放送の色域は大きく広がることが定義されています。(国際規格ITU-R Rec.2020)
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これまでは基準がなかった
これまでの4K8Kテレビ放送では、撮影対象を照らす照明光源の演色性について推奨基準が検討されていなく、照明にLEDを用いる場合の要件も明確ではなかったそうです。
現在のPanasonicのスポーツ照明 についてはこちら
NHKの協力で開発
そこでパナソニックは、NHK放送技術研究所の協力を基に、色の見え方の指標である「平均演色評価数 Ra」を90以上、かつ、「赤色の特殊演色評価数 R9」が80以上のLED投光器を開発したそうです。
平均演色評価数 Raとは?
照明で照らした物体の色の見え方の特性を現す数値。昼光や赤熱した物体からの自然な光放射を基準の光とし、基準の光により照らされた場合に対する色のズレの量を数値表現するもの。複数色の見え方の指数の平均値であり、一般にRaの数字が高いほうが演色性に優れている。
赤色の特殊演色評価数 R9とは?
Raとは別に規定されている鮮やかな赤色の見え方を表す数値。数値が低いと基準の光との差が大きくなることを示す。UHDTVでは色の再現範囲が広がることから、見え方の評価と相関が高かった赤色単独の演色評価の指数であるR9の値も推奨し、より高い値であればさらに好ましいとする。
この「平均演色評価数 Ra」を90以上、かつ、「赤色の特殊演色評価数 R9」が80というのがピンと来ないのですが、イメージ写真で見るとよくわかります。
写真右側の様な、照明を当てることが出来るようです。
感じ方は人それぞれですので何とも言えないところですが、私は右の写真の方がよりドラマチックに感じますが、いかがですか?
この照明にすることで、Ra:90かつR9:80 の光で映像表現を可能にします。
どういう効果があるのか?
- スーパースロー撮影時に適した点灯技術で、チラツキを抑制
- 光源を見上げたときのまぶしさを軽減
スーパースロー撮影時チラツキを抑制
上の写真が従来品で、下の写真が4K8K放送対応の照明器具です。スーパースロー撮影時に適した点灯技術により、チラツキを抑制します。
グレア(まぶしさ)を低減
また、スタジアムに求められる照明設計基準を満たした上で、パナソニック独自の技術により、光源からの光を絞る配光を実現しグレア(まぶしさ)を低減するそうです。
確かにそうだな・・・と思いました。光が塊になりにくいので、まぶしさが低減するそうです。
照明の演出も可能
特注品ですが、信号による制御システムにより、光の動きでドラマチックな演出も可能。
コンサートやイベントなどで、スタジアム照明と舞台演出器具との連携・活用が可能です。
【品名】スタジアムビーム LED投光器 マルチハロゲン灯Sタイプ2000形相当
【品番】2品番
【色温度】5600K
【配光(1/10ビーム角)】28°/ 45°
【光源寿命】40,000時間
【光束】140000lm / 138000lm
さいごに
東京2020が控え、4K・8Kで撮影したスポーツ競技を世界に発信していく日本。国立競技場はこの照明になる?かはわかりませんが、急速に普及することもあり得ますよね。
一番可能性が高いのが、市立吹田サッカースタジアムあたりかな?と思いました。なにしろPanasonic製品なので・・・・でも最近スタジアムも出来たばかりで、もちろん照明も入ったばかりですから、難しいそうですね。
でも、この照明が付いたスタジアムの試合を4Kや8K放送で見るなら、いつも以上にドラマチックな臨場感たっぷりなものになりそうです。
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