Blackmagic Design(ブラックマジックデザイン)は、2/5に東海エリア初のHDRに対応する4K編集及びグレーディング可能なシステムである「DaVinci Resolve Studio」を名古屋テレビ放送株式会社(メ〜テレ)に導入したと発表しました。
東海エリア初の4K/HDR対応編集システム導入
メ〜テレは、テレビ朝日系列の放送局で主に東海エリア(愛知・三重・岐阜)で視聴可能な放送局です。自社制作も行っており、自主制作番組には、ニュース、情報番組、音楽番組などが含まれます。
またメ~テレでは、次世代放送先進局を目指しており、2014年より4Kによる撮影および番組制作に力をいれています。メ~テレが制作した「ALL 4 DANCE」は4Kでの撮影を実施しています。
メ〜テレに「DaVinci Resolve Studio」を導入
HDR対応コンテンツを制作するには、「グレーディング」と呼ばれる作業が必要不可欠となってきます。グレーディング作業をざっくりというと、撮影・編集した映像の色・明暗のバランスを調整する作業です。
この作業により、強調したい人物・エリアを際立たせることが可能となります。同作業が可能な編集システムとしてBlackmagic Design(ブラックマジックデザイン)社の「DaVinci Resolve Studio」を採用したようです。
Blackmagic Design社の放送関連機器は、非常に高機能にも関わらず低価格にて製品を展開しているため、プロだけでなく、趣味として使用している方もたくさんいらっしゃいます。
我が家にも「DaVinci Resolve Lite」を導入し、HDR対応コンテンツ対応とすべく奮闘中です。
私自身はカラーコーディネータや色彩検定の資格は持っているんですが、全くそのレベルでは知識足らずで、カラー関係のバイブルとも言われる「カラーコレクションハンドブック第2版
」を購入して勉強中です。
興味がある方は、大きな書店で一度この本をご覧ください。色の基礎から編集等の応用まで一通り網羅されている書籍ですが、定価6,800円(税別)もする大判書籍であるため、購入には勇気?が必要な本です。
現在は、4K/8Kの次世代放送においては、解像度ばかりに注目が集まっていますが、コンテンツの品質を高めるためには色や音も解像度と同様に重要な要素となります。
私は、まだ4K/8Kが国際標準化される前に、米アカデミーとテレビ会議する機会があり、「色・音についても同解像度と同じレベルで考えていかないといけないのではないか?」と質問したことがあります。
その際にアカデミーの方から4Kにおける色空間の考え方や色彩が見た人に与える印象など様々なことを教えて教えてもらいました。そのことがきっかけで、改めて色・音について学び直そうと思い、現在に至ります。
その時は、通訳の方を通して質問したのですが、アカデミー賞を司る研究者と直接会話出来る滅多にない機会だったため、マイクを持つ手が震えながら質問したことを今でもはっきりと覚えています。
質問すること自体が、周りに大学の先生方やメーカーの研究員が大勢いる会議の中で、趣味がこうじて4Kの国際標準化団体に関わった素人が「こんなこと質問していいのか!」と自問自答しながらの質疑応答でしたが、今思い返してみると、アカデミーの研究者から素晴らしい助言を頂き、今日に自身のモチベーションに繋がっています。
前置き&過去の思い出が長くなってしまいましたが、4Kについては解像度以外にも色空間が従来より大幅に拡張されてたため、色への配慮が必要となります。
また8K(スーパーハイビジョン)については、色だけでなく、22.2chというマルチ多チャンネルもサポートしているため、音への配慮が必要です。そのため、NHKでは既存の2chステレオを仮想的に22.2chに変換可能なシステムを研究・開発を行っています。
メ〜テレは今年の試験放送にてHDR対応コンテンツを提供?
NexTV-Fが主として運営してきた「Channel 4K」は当初、2015年度末に終了とアナウンスしていましたが、実際には3/21 22時に終了するようです。
しかし、NexTV-FはBSデジタルにおける試験放送に携わるため、「Channel 4K」にて提供していたコンテンツは引き続きBS.17chにて放送されることが予想されます。しかもBSデジタルでの次世代放送実証実験については、HDRも対応であるため、編集システムのHDR対応が今後必須となると思われます。
そのため、自主制作を行っている「メ〜テレ」では東海エリア初の4K/HDR対応の編集室導入室を踏み切ったようです。
まとめ
今年の夏に開始と噂される4K/8K試験放送においては、4K/HDRコンテンツをサポートすることが予定されています。
次世代放送先進局を目指している「メ〜テレ」が自主制作したHDR対応コンテンツの配信が期待されるところです。
現時点ではHDR対応におけるファイル形式については正式決定しておりませんが、「DaVinci Resolve Studio」では議論されている方式に対して柔軟に対応出来るため、メ〜テレが制作したコンテンツが試験放送開始時に早期見らえることを期待したいです。