Android TVの最新OSバージョンである7.0(Nougat)では、PQ方式であるHDR10とDolby VisionとHLG(Hybrid Log-Gamma)方式をOSでサポートされているようです。
CES2016にてYouTubeが2016年中にHDR対応を発表していますが、YouTube版のHDRが最初に視聴出来る環境はAndroid TVが最初かもしれません。
具体的なサポート内容は?
方式 | Dolby-Vision | HDR10 | VP9-HLG | VP9-PQ |
---|---|---|---|---|
Codec | AVC or HEVC/H.265 | HEVC/H.265 | VP9 | VP9 |
Transfer Function | ST-2084 | ST-2084 | HLG | ST-2084 |
HDR Metadata Type | Dynamic | Static | None | Static |
Android TV7.0がサポートするHDRを具体的に見てみると、見慣れない方式が2つあります。「VP9-HLG」と「VP9-PQ」の2方式です。VP9というのは、Googleが開発したオープンソースの動画圧縮エンコードです。同エンコードは、YouTubeに採用されています。
「VP9-HLG」と「VP9-PQ」のGoogle独自方式をサポート
上記の「VP9-HLG」と「VP9-PQ」の2方式は、HDRの標準規格であるBT.2100にはなく、Googleが独自にAndroid TV7.0にて実装しているものであると想定されます。
VP9-PQについては、CodecをVP9 Codecとしているところから、YouTube上にHDRコンテンツを公開することが近々出来るようになるのではないかと予想されます。
期待度大な「VP9-HLG」方式
予想外だったのは、HLGをVP9 Codecでサポートする「VP9-HLG」という方式です。HLG方式はNHK/BBCが共同で開発を行った生中継が可能な言わば「放送用HDR」です。
同HLG方式をVP9で実装してくるところを見ると、YouTube LiveにてHDRサポートをしてくるのではないかと考えています。
日本では、HDRの生中継が可能なプラットフォームは、今のことろ、スカパー4Kや4K/8K試験放送という衛星放送環境しかありません。
しかし、このGoogleがAndroid TV 7.0にてサポートする「VP9-HLG」方式は、インターネットを用いたLive配信にてHDR映像配信が実現可能となります。
もちろん、すでにYouTubeでは4K/8K配信をサポートしているので、4K/HDR Live配信も可能になるでしょう。
インターネット帯域が懸念材料
4K映像をYouTubeにて視聴しようとすると、4K/30pの映像でも40Mbps前後の帯域が必要です。4K/60pの場合はさらに広帯域な60Mbpsオーバーの帯域が必要となってきます。
https://support.google.com/youtube/answer/1722171
Netflixによると、映像の品質を維持したままHDR対応にした場合、映像配信データは最大で約20%ほど増加するとのこと。そのため、今のYouTubeのビットレートでさらに20%もアップしてしまうとちょっと一般家庭では視聴できないような高速な帯域が必要となってきます。
もしくは、4K以下の解像度で視聴するになりますが、Android TVを搭載しているテレビはほとんどが4Kモデルであるため出来れば4K映像で楽しみたいところです。
4Kテレビには、基本的にHEVCのCodecは搭載されているので「HEVC-HLG」もOSでサポートしてほしいところです。
まとめ
Android TV 7.0では、VODサービスにて多く採用されているHDR10やDolby VisionだけでなくGoogle独自の「VP9-HLG」と「VP9-PQ」をサポートしており非常に期待出来ます。
年末には、Android TV 7.0を搭載したテレビが発売されるのではないかと思います。
また、対応環境がないのでこれからですが、YouTubeがHDR対応になりましたら、「VP9-HLG」と「VP9-PQ」についてNexus Player(7.0)にてテストを実施し、結果について紹介する予定です。