4K深海カメラが撮る『シリーズ ディープ・オーシャン』最新作が今夜放送!

本日8月28日(日)の『NHKスペシャル』は、「潜入!深海大峡谷 光る生物たちの王国」を放送。世界で初めてダイオウイカを撮影したNHK深海撮影クルーが再び集結し、4K超高感度深海カメラシステムを開発。“シリーズ ディープ・オーシャン”の最新作となっています。

シリーズ ディープ・オーシャンとは?

深海の秘境に、最先端の科学で挑むもの。

それはダイオウイカから始まった
2012年、NHK深海撮影チームは世界で初めて深海で生きた「ダイオウイカ」の撮影に成功した。ダイオウイカを追っていた当時、深海で目撃した不思議な光景がある。漆黒の闇に浮かぶ、無数の光。それらは私たちが乗る潜水艇を取り囲む星空の様に光り、まるで銀河の中に迷い込んだかのように見えた。その不思議な現象を撮影しようと、当時、私たちが使用していた世界でも最高レベルの高感度カメラで撮影を試みたが、謎の光はノイズに紛れてしまい記録する事が出来なかった。

その後わかったのだが、漆黒の闇に瞬いていた謎の光は、「生物発光」だった。その光景を目にして以来、「いつか、あの光を撮りたい」と願ってきた。2年の歳月をかけて最新の4K高感度深海カメラシステムを開発し、再び深海に赴いた。

放送世界で初めてダイオウイカを撮影したNHK深海取材班が再び深海に挑みます。

私も、NHKの番組技術展でこの「4K高感度深海カメラシステム」を目にしました。外側のハウジングもかなり大きく深海に行くのは凄い圧力なのだと思い知りました。

4K深海カメラについて

水深1000メートルに潜れる耐圧容器。ハイビジョンの4倍高精細な4Kデータの伝送。有人潜水艇に搭載するための国際安全基準のクリアなどなど……。

思いもよらない難題の数々に翻弄され続けました。完成した姿は、直径30センチ、重さ30キロ近く。

まるで大砲のようなシロモノとなってしまいましたが、潜水艇内部からカメラマンが自由自在にコントロール。感度は通常カメラの600倍という世界一の高感度・深海撮影システムが誕生しました。

仕上げるのに2年もの月日が掛かったと言います。

NHK番組技術展より

8k-85

_DSC0105 _DSC0107

_DSC0106 _DSC0108

今回の番組に使用された4K深海カメラがNHK番組技術展(番技展)にて公開されていました。4K深海カメラはCANONのEOS Cシリーズがベースとなっています。

70m水中カメラ

8k-86

8k-87

一方、70m水中カメラはソニーのα7シリーズがベースとなっています。

録画システム

_DSC0120 _DSC0115 _DSC0118 _DSC0116

深海で撮影された映像は、光ファイバーに変換されて海上(恐らく船ですが・・・)まで伝送されます。伝送された映像は、4KをPropressにて保存が可能なOdyssey7Qに保存するとのことでした。

光ファイバー信号から4K映像の変換にはBlackmagic Design社のコンバーターが使用されていました。

NHKもこれまでは、すべて専用品を開発していましたが、なるべく市販されている放送機材を流用して開発費用を抑えているとのこと。

特にカメラは最近、ソニーのα7シリーズなど感度については業務用とそん色ないレベルの製品が多くかつ業務用と比較すると、遥かに低価格で販売されているため積極的に活用しているようです。

「潜入!深海大峡谷 光る生物たちの王国」

第1集は、北米・モントレー湾の深海大峡谷を潜る。めざすのは、谷の奥深くに眠るという「発光生物の王国」だ。そこでは、みずから光を放つ何千種もの発光生物たちが、光の戦いを繰り広げるという。

第一線の研究者とともに、最新の潜水艇で潜行すると、ネオンサインのように光を回転させるクラゲ、稲妻のような光を体に走らせる深海魚など、不思議な光を放つ生物たちに次々と遭遇する。一体、何のために光るのか? そこには、光らなくては生きられない深海の宿命があるという。世界で初めて、深海で発光生物たちの生態撮影に挑み、過酷な環境で生き残ってきた生命の謎に迫る。

【音楽】久石譲
【演奏】東京フィルハーモニー交響楽団
【ナレーション】三宅民夫・久保田祐佳

放送は?

NHK 総合 8月28日(日) 午後9時00分~9時49分

見どころは?

NHKは通常のカメラの600倍という「超高感度深海撮影システム」を2年がかりで開発。第一線の研究者とともに、最新の潜水艇で峡谷の奥深くに潜入した。稲妻のようなスパーク、高速回転するUFOのような光など、妖しく輝く深海生物に次々と遭遇。世界で初めて生きた姿がモントレー湾で観察された魔魚デメニギスも登場します。深海一、奇想天外といわれる姿は、なんと頭が透明。緑色の目で真上をじっと見上げている。なぜこんな姿になったのか?そこには思いもよらぬ光をめぐる進化の闘いが隠されていた。

世界で初めて、深海で発光生物たちの生態撮影に挑み、過酷な環境で生き残ってきた生命の神秘とたくましさに迫る。

以降の放送予定

  • 南極 海水の奥に潜む巨大生物
  • 超深海 地球最深への挑戦

タイトルは、仮のものですが、今後の放送が楽しみな番組です。

 

関連記事

NHKが放送技術を直接“見て・触れて・知って”を体感できるイベント第45回「番組技術展」を開催!

【第45回番組技術展レポート~part1~】8K対応中継車(SHC-1)に乗ってきました!

【第45回番組技術展レポート~part2~】8K全自動コンパクトプレイヤー

blank
最新情報をチェックしよう!