「究極の映像と音響がここにある。」とNHKがアピールしている8K(スーパーハイビジョン)が、1/30日にリニューアルオープンした「NHK放送博物館」内の常設シアター「愛宕山8Kシアター」で体験することが出来ます。
NHK放送博物館とは?
開館以来、放送に関する歴史資料の展示や収集整理に努めるとともに、現在は、だれもが自由に利用できる「番組公開ライブラリー」や「図書・史料ライブラリー」を公開しています。
また、イベントなどを通じ地域の方々とのつながりを深め、「放送講座」など“学びの場”としての役割も果たしています。
出典:NHK放送博物館HPより
日本で放送が始まったのは、1925(大正14)年3月22日。
当初は東京・芝浦の仮放送所からラジオ放送が行われていて、同年7月には愛宕山で本放送が始まり東京放送局が開局しました。
愛宕山からの放送は、1939年に東京・内幸町の放送会館に移転まで14年続きました。戦争を経て、戦後はこの旧東京放送局舎は占領軍に取り上げられ、占領終結後の1955年2月にNHK放送文化研究所(文研)が目黒から移転。
この文研が約1年間かけて準備し、NHK放送博物館は、1956年(昭和31年)に開館しました。建て替えられて、現在の建物になったのが1968年のことです。リニューアル後も、放送博物館はこの建物を生かして展示を行っています。
私も何度もこのNHK放送博物館に行っているのですが、私にとってはお宝のような機材や資料がたくさん展示されていて、いつも楽しめる場所となっています。
愛宕山は“放送のふるさと”と呼ばれ、東京23区内の自然の山では最高峰、港区にある愛宕山は標高25.7mです。
東京オリンピック開催が決定したため、8K(スーパーハイビジョン)は2020年開始を目指していますが、8Kの開発当初はNHKが放送を開始して100周年にあたる2025年実用放送開始となっていました。オリンピックパワーはすごいですね、5年前倒しが可能になるんですね。
今回のリニューアルで何が変わったのか?
ドラマ・音楽などのテーマ展示(2階)と歴史展示(3階)を見やすく一新。
3万点を超える資料から厳選した500点余りを展示するとともに、 “体験”型の展示が充実しました。
昨年の紅白歌合戦出場歌手らのサイン色紙も展示したり、ニュース、気象予報の制作現場を体験できるスタジオや、大河ドラマの登場人物の衣装を、映像で仮想体験できるコーナーもあります。
テーマ展示(2階)

①愛宕山 8Kシアターについて

愛宕山8Kシアターは200インチのスクリーンと22.2マルチchの構成。上映される映像は、これまでNHK技術研究所の一般公開にて上映された映像や、8K(スーパーハイビジョン)によるパブリックビューイングが行われた映像の数々。愛宕山8Kシアター用に制作されたオリジナル映像はないようです。
私のお気に入りスーパーハイビジョン映像は、2008年に撮影されたねぶた祭の映像です。撮影されたのがスーパーハイビジョンの比較的初期であるため、少し暗めの映像ではありますが、ねぶた祭の臨場感が伝わってくる素晴らしい映像です。
2月のプログラム(プログラムは毎月変更されるようです)
【火曜から金曜】 gift~未来へのおくりもの 長岡まつり大花火大会
【2月11日(祝日)】第66回紅白歌合戦ダイジェスト
【土曜日】東京ガールズコレクション・2015年春夏ソチ五輪 フィギュア 浅田真央FS
②放送体験スタジオ

ブルースクリーンを使ったニュース・気象予報のバーチャル映像体験などが体験できます。
③テレビドラマの世界

実際にドラマで使われた衣装やセットなどが制作されたドラマの歴史資料と共に見ることが出来ます。
④オリンピックの感動を伝える

放送技術はオリンピックを契機に進化していると言っても過言ではないぐらい密接な関係があります。これまでのオリンピック放送の歴史と技術進化について紹介されています。
⑤NHKと音楽

紅白歌合戦を中心に、NHKでの音楽番組等の名曲アーカイブスが展示されています。
⑥こども番組がいっぱい

私も大好きだった「にこにこぷん」など懐かしい子供番組などの実物資料や番組アーカイブスがあります。
歴史展示(3階)



1925年に開始された放送の始まりから、戦時下、占領下等の歴史が時代ごとに展示されています。
NHK放送博物館にあるもの
玉音盤など約2万件の放送資料と約6,500点の放送関係図書を所蔵。
さまざまな時代の「ラジオ受信機」や「テレビ受像機」が展示され、動態保存(通電すれば作動する状態で保存・展示。)
マイクロフォン・ラジオ・スピーカー・テレビ受信機・録音機・VTR・テレビカメラ・取材用カメラ・水中プリンプなどから幾つか選ばれて展示されています。
おススメは「水中プリンプ」。水中プリンプとは水中撮影用のカメラケース(ハウジング)のことです。水中撮影用カメラケースがこれほど集められている&見える場所はほかにないと思います!
WEB上でしか見られない資料も多いのですが、展示中かどうかはHPを見るとわかりますので、出かける前に是非確認してみて下さい。→ NHK放送博物館について
企画展示にも期待!
企画展示があります。1月30日からは、3階の企画展示室にて「NHK放送博物館60年 特別展 時を重ねて伝えてきたこと」を開催されます。
今回の企画展は、60年の歴史を物語る選りすぐりの資料を展示。NHK放送博物館が果たしてきた役割についても振り返っています。
開館日・入場について
NHK放送博物館 //www.nhk.or.jp/museum/index.html
毎週月曜日は休館(祝日除く)
開館:午前9時30分~午後4時30分
入館料:無料
※お問い合わせ先 NHK 放送博物館
〒105-0002 東京都港区愛宕 2-1-1 TEL 03(5400)6900
愛宕山8Kシアター以外にも8Kが体験出来る場所がある!
2005年に開館した九州国立博物館には、世界初、常設スーパーハイビジョンシアターが設置されています。
スーパーハイビジョンシアターは、スクリーンサイズは320インチと愛宕山8Kシアターより大きいのですが、座席数はなん34席しかありません、ほぼプライベートシアターですね。シアター設置当初は「シアター4000」という名称でした。これはスーパーハイビジョンという名称になる前は、「4000本級映像システム」という名前だったことに由来します。8Kの開発歴史についてまとめた記事もありますので、8K関連記事をご覧ください。

こちらのシアターでは以下の8K(スーパーハイビジョン)映像を楽しむことが出来ます。九州に行く機会があったら立ち寄りたい場所です。
- 「神やどる島 宗像 沖ノ島」
- 「受け継がれるおもい、小さな島の教会群」
- 「不思議・再発見!200年前の日本地図」
- 「じろじろ ぞろぞろ 南蛮屏風」
- 「海の正倉院・沖ノ島」
- 「世界をとらえた日本のわざと美」
- 「シルクロード 敦煌の仏たち」
上映される映像の詳細はこちらをご覧ください。
//www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_info_t4.html
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