「H.265/HEVC」とは何?4K放送・配信には欠かせないエンコード(圧縮)技術

「H.265/HEVC」とは何?4K放送・配信には欠かせないエンコード(圧縮)技術

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「H.265/HEVC」という言葉を4K放送である「スカパー4K」や4K動画配信の「ひかりTV 4K」で見たり聞いたりしたことがある方も多いかと思います。今回はこの規格について詳しく紹介してきたいと思います。

H.265/HEVC(High Efficiency Video Coding)とは

H.265とは従来の主流エンコード技術である「H.264/MPEG-4 AVC」と比較して約2倍のデータ圧縮の効率化がなされています。この「H.264/MPEG-4 AVC」は現在のBlu-rayや一般的な動画配信などに利用されています。

また、地デジやBSデジタルに使用されているMPEG-2と比較すると約4倍のデータ圧縮効率となっています。エンコード(圧縮)方式や現在の主な利用用途について表を参考にご覧ください。

エンコード技術名称データ量比較
(MPEG-2を1として比較)
※参考値
処理負荷
(MPEG2を1として比較)
※参考値
国際標準化された年主な利用用途
MPEG-2111995年地デジ
BSデジタル放送
DVD
H.264/MPEG-4 AVC0.522003年ニコニコ動画
YouTube
スカパープレミアム
H.265/HEVC0.25202013年スカパー!4K
ひかりTV 4K
Netflix

H.265/HEVCとよく併記されることが多いのですが、正式にはH.265(ISO/IEC 23008-2)のみが国際標準規格として定められています。HEVC(High Efficiency Video Coding≪高効率ビデオコーディング≫の略)は非公式な呼び方であり、扱いとしては通称の位置づけとなっています。

H.265/HEVCは現在主流のH.264/MPEG-4 AVCが規格されてから10年後の2013年にようやく国際標準化となりました。現在ではまだ利用範囲は限らていますが、今後様々なサービスへ利用が期待されるエンコード技術となっています。つまり次の10年を支えるコンコード技術と言えそうです。

H.265/HEVCが期待される理由

H.265/HEVCが期待される理由はもちろんエンコードの効率化です。現在の地デジやBSデジタルで使われているMPEG-2と比較して約4倍のエンコード効率があるわけですが、この約4倍というのが大きなポイントとなっています。

ご存じの方も多いと思いますが、4KとはフルHD(フルハイビジョン)の4倍の解像度を持った次世代の高画質放送です。当然、今のデータ圧縮(MPEG-2)の方法を用いると、解像度が4倍あるため、データ量も4倍となってしまいます。

しかし、このデータをH.265/HEVCにて圧縮すると、既存のデータエンコード方式(MPEG-2)と比較して4倍のエンコード効率があるため、4Kの映像データ量を現在のBSデジタル放送と同等に抑えることが可能となります。

データ量を現在の放送されている方式と同等に抑えることが出来れば、現在の衛星放送やネットワークなどの流用が可能となるため、ゼロから始めるよりはるかに早期にサービス開始・商用化が可能となるためH.265/HEVCは4K放送に必須のエンコード技術として期待されています。

また、画質を維持したままデータ量を約半分に出来ることから、スマートフォン向けの動画配信サービスへの利用も期待されています。スマートフォンのパケット代は使った分だけ支払う従量課金なので同じこれまでと同じ画質を半分のパケット代で見れるのはうれしいですよね。

すでにNTTドコモの「dアニメストア」やNTTぷららの「ひかりTVどこでも(4K)」でH.265/HEVCを使った動画配信サービスをスタートしていいます。しかし、現状ではそれほど増えていないのが実情です。

何故なら、現在のところスマートフォン側にも映像を再生させるための専用チップが必要となっています。また、非常に多くの電力を消費するため、バッテリの持ち時間が短くなってしまう、また本体が異常に熱くなってしまうという課題もあります。

次世代のスマートフォン向けSoC(Snapdragon820)では「スカパー4K」や「ひかりTV 4K」で放送されているとの同じ品質の4K/60p(毎秒60フレーム表示)を従来の40%近く消費電力を効率化して再生が可能になるようです。ちなみにこれまでのスマートフォンでは上記の半分の4K/30pが限界となっていました。

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最大の課題は処理負荷

データ量を大幅に効率化出来るエンコード技術である「H.265/HEVC」ですが、当然課題もあります。画質をほぼ維持したままH.264/MPEG-4 AVCの約半分のデータ量に抑えるには膨大な処理が必要となります。

処理負荷量はこれまでの10倍とも言われており、生放送には必須のリアルタイムエンコードを実施するには専用の機器が必要となってしまうため、非常に高価となっています。また、エンコードされたデータを視聴するために、デコード(復元)する処理にも多くの処理負荷がかかってしまうため、高価な専用チップが必要となり、4K放送対応チューナーの価格が下がらない一つの要因となっています。

YouTube 4Kや4KビデオカメラはH.265/HEVCをまだ使っていない。

YouTube上の4Kや8Kの映像配信やパナソニック・ソニーなどが発売している4Kビデオカメラではまだ、H.265/HEVCを利用していません。理由してはやはり処理負荷が高いことからリアルタイムに処理することがほぼ不可能だからです。

もちろん、YouTubeがH.265/HEVCにて映像を配信することは可能です。しかし、視聴する側の環境がまだまだ追い付いていないため、あえて既存のH.264/MPEG-4 AVCベース(YouTube上ではgoogleが作ったVP9というH.264/MPEG-4 AVCベースのオープンソースエンコード技術が使用されています。)を使用しております。私はYoutubeに約40~45Mbpsほどに圧縮して4K映像を公開しています。

4Kビデオカメラも同様でH.264/MPEG-4 AVCベースのエンコード技術を用いています。その分データ量が多くなっており、4Kで撮影するには家庭用のビデオカメラでも100Mbpsという帯域が必要となっています。

そのため、対応するメモリーカードが限られており、高速に書き込みが可能な対応SDカードが必須となっています。データ量が多く非常に高速な書き込み性能が必要であるため、対応するSDカードは非常に高価かつ短時間しか録画することが出来ません。

我が家では128GBのSDカードを使用していますが、このSDカードで録画出来る時間は約2時間40分ほど。しかも付属のバッテリで録画可能なのは1時間弱という非常に短い時間です。

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まとめ

現状はリアルタイムエンコード対応の難しさや対応製品が高いこと、また電力消費が多いためスマートフォンへの普及もまだまだこれからと言った感じです。しかし、4K/8Kといった次世代放送やスマートフォン向け動画サービスの画質向上には必須となってくる今後の10年を担う次世代のエンコード技術となるでしょう。

来年にはBSでの4K放送や動画配信サービスでの4K視聴拡大がさらに進むことから爆発的に普及していくと思われます。私としては早くノートPCでもリアルタイム処理が可能になってほしいです。そうすれば4Kライブ配信が実現するかなと今から期待と妄想をしております。

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