8K解像度の内視鏡や8Kの3Dモニターがもうすぐ実現するかもしれません。自分が手術をするとき、絶対に失敗したくないし、体の負担を少なく手術し、すぐに職場復帰したいって思いますよね?先日、横浜で試作品が公開されました。早ければあと一年程度で実用化できるかもしれません。
8K・3Dモニターと8K内視鏡
テレビで放映されたりして、気になってる方も多いと思います。また自分自身や家族が病気になると、この8Kモニターや8K内視鏡が早く実用化してくれたらいいのにと考えることも多いでしょう。
実際、私も家族が病気になった時切実に思いました。「もうすぐ8K内視鏡って実現するんじゃ?」と。
医療機器の製造販売会社の「カイロス」
カイロスという会社は、8K映像技術を応用した内視鏡を製品化するために2016年2月に立ち上げた会社です。メンバーには企業・病院・医師などが名を連ねています。
カイロスとは? http://kairos-8k.co.jp/
これまでも「医療の世界に8Kモニターが普及する」と言われてきましたが、その先を行く8K・3Dモニターが実現できたら、奥行きや体や病巣の位置を正確に確認でき、医者も失敗も減るし、手術時間が短縮出来たら患者さんの体の負担も減り、良いことしかないですよね。
8Kの内視鏡はすでに検証されており、以下のことがわかっているそうです。
8Kの内視鏡について
8Kの内視鏡とは、フルハイビジョンの16倍の高い解像度を持つ内視鏡のことです。
この8K内視鏡の開発を主導するのは、日本大学総合科学研究所教授の「千葉敏雄医師」千葉氏は医療従事者や企業の共同研究組織「メディカル・イメージング・コンソーシアム」を2012年に設立した方。
実際には、8K内視鏡を用いた手術は、もう試験的に行われています。
「8K内視鏡」は次世代テレビ放送用の超高精細映像技術(8K)を応用して開発されたものともいえます。日経メディカルによると、実際に使った医師のインタビューも掲載しています。
「腹腔鏡下胆嚢摘出手術で、実際に手術で使ってみると、従来の内視鏡よりずっと詳細に組織が見えた。これまで認識できなかった血管や神経がはっきりと分かるので、それらに注意して手術ができた」
杏林大学・森俊幸氏
従来の内視鏡の16倍も綺麗に見えるので、以前は画質が不鮮明だったので損傷することのあった神経や、血管を温存して手術できて、神経損傷や出血などの術後合併症を予防できるのでは?とも期待されています。
開発中の8K内視鏡は、内視鏡がじゃまにならない?
硬性内視鏡は主に、基部となるカメラ、体内に挿入するスコープ、それらをつなぐアダプタから構成されています。
以下の図参考。
従来の内視鏡は解像度が低いため、手術中の視野を拡大する為には、スコープを患部に近付ける必要がありましたが、8Kの内視鏡では、解像度も高いのでそういった心配はない。
また拡大しても画面が荒くならないし、スコープを動かす頻度も減る。視野が広くなると全体も把握しやすくなり、出血が起きているときも場所の特定が早く済むとのこと。
嬉しいことばかりですね。では、8Kの3Dモニターって?どうなんでしょう。
8Kの3Dモニター
Panasonicの55型 8K液晶ディスプレイに、新潟にある会社、「有沢製作所」の偏光フィルター「Xpol」を貼ることで、8K画質で立体的な3Dモニターを実現するようです。
この有沢製作所という会社は、携帯やPCモニターに貼るフィルムや、カーボンクロスなども手掛ける会社です。
医療の現場での現状は?
内視鏡の手術は、医師がモニターを見ながら行う手術になります。そして、ひと昔より内視鏡でやる手術は本当に増えています。
でも、ここで医師が見るモニターは、ほとんどフルHDです。
8K・3Dモニターで何を望む?何が出来る?
まず、4Kや8Kのモニターになることで、様々なものが綺麗に明瞭に見えるでしょう。細い血管が見えるようになり、病巣に色を付けて削除するときにも有効でしょう。よって、これまでなら開腹手術でないと対応できなかったものも、内視鏡手術が可能になるでしょう。
ただ、4Kや8Kモニターは「2D」なので平面ですよね。ですから、3Dになればもっと奥行きや正確な位置を把握できますから、やはり3Dにこしたことはないでしょうね。
体内の臓器、神経などの位置関係を正しく把握できれば、切除する必要がない神経を残し、患部だけを取り除くのが容易になるでしょう。作業効率が上がり、手術時間の短縮につながるでしょう。
内視鏡手術は、体の負担が少ないので働いている方は、職場復帰が早まり、入院も長引かないのでリハビリもほとんどいらないし、やはりいいことばかり考えますね。
さいごに
8Kモニターが普及すれば、離島や過疎地域で専門医の少ない地域でも、この8Kのデーターを東京や大阪などの大都市の病院や医者と連携し、判断を仰ぐこともできるでしょう。
8Kで3Dモニターが実現すれば、手術の負担も減るでしょうから、本当に期待します。
それは、私が年をとってリタイヤしたときにどこで住もうか考えたとき、病気のことを考えると大都市とはいわなくても、そこそこの地方都市に住みたいなと考えるのですが、遠隔で大都市の医師に診断してもらえるなら、離島や北海道の端っこに住んでも良いかな・・・と思うからです。
実際、買い物の利便性などもありますが、年配の方は年々、都市に集中してきているようです。私も切に・・・実用化を早く望みます。
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