ソシオネクスト、InterBEE2016にて4K/8K実用放送対応チューナーを出展!

4K/8K試験放送・実用放送対応STB向けLSIを開発しているソシオネクスト社が、今年のInterBEE2016にてついに4K8K実用放送対応チューナー「FEBX-101S3」を発表しました。

参考価格などは公表されていませんでしたが、すでに量産可能な状態で複数社から見積依頼等が来ているとのこと。明確な発売時期などは教えてもらえませんでしたが、早ければ2017年の春頃には対応チューナーを発売開始するメーカーが出てきそうです。

ISDB-S3とITU-T J.183対応したLSIを搭載!

FEBX-101S3

今回発表された4K/8K実用放送対応可能チューナー(FEBX-101S3)には、以前紹介した「SC1501A」とうLSIが搭載されています。このLSIはISDB-S3(Integrated Services Digital Broadcasting for Satellite, 3rd generation/高度広帯域衛星デジタル放送方式)とITU-T J.183(複数搬送波伝送方式)に対応したチップです。

ISDB-S3対応復調LSIとしては、ソニーからも「CXD2857ER」という対応LSIが9月から集荷されており、いよいよ4K/8K放送対応チューナーが発売されるのが目前ということでしょう。

//www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201607/16-069/

ITU-T J.183は、既存のCATV網を活用した4K/8K放送の伝送方法として期待されている仕様です。詳しくは下記を参照ください。

8K実用放送(スーパーハイビジョン)普及へのカギは、ケーブルテレビ伝送?

FEBX-101S3の基本スペック

  • 受信周波数         :1.03GHz ~ 3.22GHz
  • ISDB-S3受信      :変調方式(32APSK/16APSK/8PASK/QPSK/BPSK)、                                             :シンボルレート:33.7561Mbaud
  • 接続端子(入力):ISBD-S3受信用入力端子×1(F型接栓,75Ω)
  • 接続端子(出力):MMT-TLVストリーム出力端子×2 (RJ-45,1000BASE-T)                                           ※1端子はモニタ用
  • GUI制御用         :有線接続用 USB2.0端子×1(Bタイプ)                                                                :無線(Bluetoothオプション)接続用USB2.0端子×1(Aタイプ)
  • 電源      :入力電圧 AC100V(50/60Hz)                                                                             :入力電流 0.3A
  • 外形寸法    :300mm(W) × 237mm(D) x 55mm(H)
  • 重さ      :約1.5kg

まとめ

ISDB-S3いわゆる4K/8K実用放送に対応するLSIや対応チューナーが、ようやく参考出展やサンプル出荷レベルで始まりました。

ただ、まだ課題も多く残っています。8K/60pの映像をどうやってテレビと接続するかは今回の対応チューナーではまだ不明瞭なままでした。FEBX-101S3には、MMT-TLVストリーム出力のLAN端子がついているので、もしかすると・・・H.265/HEVCのままテレビへ伝送することを想定しているのかもしれません。

8K/60pを伝送するには最大で72Gbpsの帯域が必要となるため、既存のHDMI2.0(18Gbps)では1本で送ることが出来ません。そのため、NHKの8K試験放送チューナーでは、HDMIを4本束ねてモニターと接続していますが、この方法は市販用には向いていないでしょう。

そのため、8K/60p、その先のフルスペック8K/120pをカバーするインターフェースの規格化も対応チューナー開発と合わせて必要となっていくでしょう。

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