NHKは、巻き取りや折り曲げが可能なフレキシブルディスプレイを開発してきましたが、この度、長寿命化に向けた電子注入技術を開発したと発表。素材は(株)日本触媒と共同で開発したもので、紙より薄く、柔軟性の高いものだそうです。
NHKと日本触媒が開発 フレキシブル有機ELディスプレイ実用化まであと一歩?
NHK:フレキシブルディスプレーの⻑寿命化に向けた有機EL⽤材料を開発
これまでも、NHKは、巻き取りや折り曲げができるフレキシブル有機ELディスプレーの実現を⽬指して、研究開発を進めてきましたが、今回、⻑寿命化に向けて新たな有機EL⽤材料の開発に成功したそうです。
フレキシブルディスプレイを実現するためには
NHK:フレキシブルディスプレーの⻑寿命化に向けた有機EL⽤材料を開発
フレキシブルディスプレイを実現するためには、ディスプレイで⼀般的に⽤いられるガラスに代わって、薄くて柔らかいプラスチックのフィルム上に、⾚・⻘・緑に発光する有機ELを形成する必要があります。
従来のガラスの場合は、ガラス上に形成した有機ELに、発光に必要となる電⼦供給材料の⼀部にアルカリ⾦属を使⽤していました。今回のかし、プラスチックのフィルム上では、酸素や⽔分を通しやすい性質があるため、アルカリ⾦属が劣化しディスプレイの寿命が得られませんでした。
そこで、アルカリ⾦属に代わり、フィルムでも⾼い安定性が保たれる電⼦供給材料を新たに開発しました。
NHKは2013年に、酸化に強い構造を持つ材料によるiOLED® ※を世界に先駆けて開発しましたが、実用化には、酸化を防ぐ以外に、長時間発光しつづける駆動寿命と低電圧で駆動する高い省電力性を合わせて実現することが必要でした。
※iOLED®:電極の積層構造が通常とは逆のOLED。酸化に強い電子注入層が形成可能。
この電⼦供給材料は、⽔素結合が作る分極の効果によって電⼦をスムーズに供給できることを、世界で初めて明らかにしています。
開発のiOLEDは、OLEDと同等の駆動寿命と省電力性
今回開発したOLEDは、封止のない大気中でも安定に発光し、新しい電子注入層材料と新規添加剤の開発により、長い駆動寿命と、駆動電圧の低減にも成功。
通常のOLEDと同等の駆動寿命と省電力性を有し、かつ酸素や水分に強いOLEDの実現は世界で初めてだそう。
参考:株式会社日本触媒
参考:株式会社日本触媒 こちらが、発光するiOLED
さいごに
これまでも、NHKは、巻き取りや折り曲げが可能なフレキシブルディスプレイを開発してきましたが、今度こそ、製品化に近づいたのでは?と勝手に思っています。
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