日本初の4K放送「Channel 4K」が2016年3月末に終了。試験放送を振り返る。

日本初の4K放送「Channel 4K」が2016年3月末に終了。試験放送を振り返る。

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無料で視聴可能な4K放送である「Channel 4K」が、今年度末の2016年3月末に終了します。本サイトでは、これまで新しいサービスを紹介することが多かったのですが、今回は記事を書く時点で、終了アナウンスが出ているので、振り返りというスタンスで書きたいと思います。

Channel 4Kとはそもそも何だったのか

次世代放送推進フォーラム(通称:NexTV-F)が放送免許を取得して、NexTV-Fに参加している家電メーカーや放送局などが制作した4Kを放送しているのが「Channel 4K」です。

Channel 4Kは、日本初の4K専門の放送チャンネルとして、2014年の6月から放送が開始されています。放送局だけでなく、CATVや有料放送(スカパー、WOWOW、J:COM)なども参加しています。

試験放送であるため、視聴は無料です。ただし、スクランブル解除のため、次世代放送推進フォーラムのコールセンターに視聴の申し込みが必要。

どうして終わる?Channel 4K

Channel 4Kの試験放送が終わることについて、プレスリリースを見ると、試験放送に対して「十分に役割を果たした」となっています。2014年6月から開始され、2016年3月末に終了なので、約1年9月という短い期間の試験放送となりました。試験放送としては異例の短さです。

実は今年の夏頃から、Channel 4Kの月次で発表される新規番組が激減していました。もう、新規に番組は制作されていないんだなぁと思って観ていたら、終了アナウンスだったので、ある意味納得でした。

違う視点でみると、この取り組みに新規に番組を制作する放送局等がいなくなったということでしょう。

Channel 4Kの成果とは

Channel 4Kの成果としては、

NexTV-Fに参加している放送局・CATVや有料放送が4K作品を制作する機会及び放送する機会を得たことであると考えられます。

しかし、NexTV-Fに参加している放送局・CATV・有料放送にて実施している内容を見てみると、このChannelで実施出来た内容にはかなり差があるようです。

この1年半弱で実施した試験放送を打ち分けると大きく3つに分かれると想定されます。

大手有料放送・NHK     :4K生放送や8K放送対応に向けたコンテンツ作成

地方放送局       :今後の4K放送対応に向けた試し撮り撮影

CATV        :とりあえず4K作品を作成

CATVが手抜きをしているとは全く思っていません。何故なら4K放送に対応する番組を作成するにはカメラ・保存・編集機材等すべてにおいて対応させるための投資が必要です。

これらの投資を、各CATVで実施するには経営体力的に、かなり無理があります。そのことを踏まえると、このChannel 4Kに参加したCATVは「まずは4K番組作成に挑戦しよう!」という意気込みであったに違いありません。

一方で、NHK、WOWOW、スカパー、東北新社、J:COMは8Kにて番組を作成し、画質を4Kにダウンコンバートして放送を実施しています。これらの5社は一つ先を行っているように見えます。

4K機材で制作された番組と比較すると、画質的にも他の4K放送番組より、はるかに高い品質になっています。

来年から始まる8Kの試験放送に、これらの試験放送ノウハウが生かさせることが期待されます。

Channel 4Kのコンテンツは基本的に録画番組

「Channel 4k」及び「NexTV-F」の資料を確認すると、Channel 4Kにて放送された番組はすべてファイルでの受け渡しを前提としています。つまり録画番組です。

近年、放送局やCATVではテーブからファイルシステムへの移行が、かなり進んでいる影響もあると思いますが、基本ファイルベースでの納品であることは、あまり知られていない内容かと思います。

しかも、納品については、adobeのPremiere Proで作成したファイルベースとなっているため、かなり作成・編集環境が限定されていたいようです。

2015年、ABC放送が初の4K生放送を「第97回全国高等学校野球選手権大会」にて実施

基本的と記載したのは「生放送」も実施されたいたからです。生放送が実施されたのは私が視聴した限りでは、ABC放送が夏の高校野球中継を、4Kの生放送にて実施しています。

ABC放送は10年以上前からインターネットでのストリーミング配信に取り組んでおり、先進的な取り組みを実施する会社。この社風とこれまでの取り組みが、結果を残していると感じています。

Channel 4K初の生放送ということで、ワクワク・ヒヤヒヤな思いで、視聴しておりましたが、問題なく生放送は実施されました。

ちなみにABC放送は2008年、同年に完成した新社屋から幕張で開催されていた「Interop Tokyo2008」と広帯域で接続し、4K放送非圧縮状態でストリーミング実験に成功しています。その際の帯域はなんと6.5Gbpsだったそうです。Channel 4Kに参加する約10年前からネットワークを用いた4K放送に取り組んでいたとは驚きです。

もう、4Kの試験放送は実施されないのか?

これらの課題を踏まえて、来年はBSデジタルにて4K/8K試験放送が実施されます。

Channel 4Kでは録画された番組の放送が多かったのですが、来年から実施されるBSデジタル4K放送では、生放送番組が増えてくることが予想されます。

また、現在では実現していませんが、NHKとBBCが新たに提唱しているHybrid Log-gamma技術を用いた、生放送HDR番組も徐々に出てくるでしょう。来年開始されるBSデジタル放送での4K試験放送については以下をご覧ください

4Kテレビ購入の方必見!来年開始のBSデジタル4K放送は最新の4Kテレビで視聴出来ない
今、販売してる4Kテレビでは、来年始まるBSデジタル4Kの放送が見られないなんて!えっ?って感じです。4Kテレビの購入検討をされている方に、...

まとめ

「スカパー!4K」ではJリーグの中継や、Mr.Chirldren等の生ライブで、4K生放送の実績を積み上げていますが、他の放送局はまだまだ実績がない状態です。来年から実施される、BSデジタル放送を用いた試験放送では、より放送に近い形での試験放送が多く実施されるでしょう。

積み残した課題はいくつもありますが、Channel 4Kは、制作側に「4K放送番組を作るには?」というきっかけを投げかけ、視聴者には、「無料でこんなすごい映像が見れる!!」というインパクトを与え、一気に4Kの認知が広がったと思います。

今後は、映像分野に特化しているではなく、一般世帯に「4Kテレビ・4K放送を魅力的だ、お金を払ってまで見る価値がある」と言わせていく必要がありそうです。

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