綺麗なの?4Kリマスターって何?

最近よく聞く、4Kリマスターって何?最近だと60周年記念で制作・リマスターされた「ゴジラ」とか聞きますし、スカパーでも4Kリマスターってけっこうあるんです。これについて調べてみました。

4Kリマスターとは?

リマスターとは過去の映画やドキュメンタリーなどを最新のデジタル技術を駆使し高画質化することです。フィルムは年月が経つと、劣化、退色が発生してしまいます。一般的にいう劣化や色あせと呼ばれているもの。

リマスターとはこの劣化してしまった部分を含めて最新のデジタル技術で修復や補間を施して撮影当時の映像に甦えらせることを意味しています。

ではなぜ「4K」という基準を使うのかという、実は現在放送されている4K映像規格のベースとハリウッドを中心とする映画が密接に関係しているからです。詳しい内容はまた別の機会に紹介しますが、結論からいうと映画館で投影している35ミリフィルム品質をデジタルで置き換えると4Kだったということです。

つまり映画フィルムのデジタル化=4Kというなるわけです。そのため、過去の映画を当時の品質相当にデジタルリマスターする=4Kリマスターとなるわけです。

また作品によっては、「サウンド・オブ・ミュージック」のように、65ミリネガを8K解像度でスキャンするなど大がかりなものもあるようです。

「4K映像規格の父」、小野定康氏が100年前のフィルムを修復するリマスター技術を開発

4Kリマスターはどれ位画質が向上するのか?

以前スカパーで、1959年の皇太子さま・美智子さまご成婚パレードを4Kリマスターで放送しておりました。これは35mmカラーフィルムで撮影された映像を、4Kでデジタルリマスター化したもの。

これまで、私たちが観てきた地デジやBSデジタル等のHD画質では、当時撮影に使われた35ミリフィルムの情報量すべてを映像で伝えることが出来ていなかったようです。

しかしこれが4Kリマスターによって再現可能となりました。「美智子さまが羽織っていたケープ、沿道の人々の表情、当時の道路の舗装状況など、56年前の雰囲気を伝えられる」がはっきりとテレビで見ることが出来ます。

今から56年も前の映像なのに、色まで鮮やかに甦させることが実現しています。このご成婚パレードは、当時カラーテレビ普及増加につながったとも言われる一大イベントでした。再現された色鮮やかな映像は、当時のテレビで見ている人よりも、生で見ているのに近い映像で今見えることが技術の進化を感じます。

どうやってリマスターするのか?

1. フィルムチェック

まずは元となるフィルムの状態を確認となります。4Kスキャニングが可能な状態であること、物理的なダメージがないことをチェックし、ときにはクリニーングや補強などが実施されます。

4Kリマスターの作業は、できるだけ保存状態のよいフィルムを使うのが重要で、1作あたり6〜7ロールのフィルムが使用されます。つまり同じ作品のフィルム6~7本ほど集めていいところ取りをやるわけです。

またオリジナルネガフィルム(つまり現時点における最良の状態のフィルム)が4Kスキャンに利用できれば、さらに画質は向上します。

映画がデジタル化される前はマスターと呼ばれる「オリジナルネガフィルム」から各映画館で上映するためのフィルムを作成するためにオリジナルからダビング(コピー)を行っていました。当然、ダビングされたフィルムはオリジナルより劣化してしまいます。そのため、4Kリマスター制作にはほぼ劣化がない「オリジナルネガフィルム」が重要となってきます。

2. 4Kスキャンニング

フィルムを4K解像度のデジタルデータに変換する作業。

「4Kスキャニング」は、4K対応の映画フィルム専用スキャニングマシンを用いて、貴重なオリジナルネガフィルムを、1コマ(フレーム)1コマ(フレーム)スキャンしてデジタルデータ化していきます。

映画はほぼ24フレーム/秒で構成されているため、1秒の動画をスキャンするには24コマ(回)分スキャンが必要となってきます。

驚くのは、これをデータ化すると、1コマあたり約50MB(メガバイト)ものデータ量になることです。

3. レストア

4Kスキャニング後のデジタルデータは、フィルムの傷、汚れ、ゴミ、フィルムのつなぎ目の痕跡、退色などをあるため1コマずつ修復が必要であり、これらの作業をレストアと呼びます。この作業はすべて1コマずつ目視で実施されます。

4. グレーディング

最終作業は、グレーディングと呼ばれる。色合い、鮮やかさ、明るさなどを、専門家が調整していきます。この「グレーディング」処理により、くすんで白っぽい映像が、色彩が鮮やかに甦ります。

一連の作業の中で最も苦労し、労力のかかるのが、レストアです。スキャンする際、フィルムの1コマ(フレーム)ずつ確認・修復が必要だからである。4Kリマスターで2時間の作品なら、現状で約2カ月程度かかるそうです。

スキャンする機器は自動化や高速化が行われていますが、レストアについては地道に人の作業で実施されているため、今後爆発的に4Kリマスターが増えることはなさそうです。

しかしながら、地道な職人技で支えられているわけです。頭が下がります。

スカパー4Kで見られる4Kリマスターは?

これまで、スカパー! の4K専門チャンネル「スカパー! 4K 映画」において、「スター・トレック」や「アメイジング・スパイダーマン」など放送しています。やはり綺麗さが全然違う。

スカパー4K【映画】で観られるラインナップ

  • 【4K】スパイダーマン™
  • 【4K】スパイダーマン™2
  • 【4K】スパイダーマン™3
  • 【4K】アメイジング・スパイダーマン™
  • 【4K】アメイジング・スパイダーマン2™
  • 【4K】チャッピー
  • 【4K】戦場にかける橋
  • 【4K】スター・トレック イントゥ・ダークネス
  • 【4K】マネーボール
  • 【4K】タクシードライバー
  • 【4K】ファニー・ガール
  • 【4K】メン・イン・ブラック
  • 【4K】メン・イン・ブラック2
  • 【4K】死霊のはらわた(2013)

スカパー映画は、そのチャンネルを1日単位で購入する(PPV)必要があります。1日見放題にはなりますが756円(税込み)かかります。ちょっとお高い気もしますが、4リマスターにかかる手間と職人技を知ると納得の価格だと思います。

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